サイフォンのおいしい入れ方~3つのポイントでコーヒー豆の良さを引き出す!

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透明な耐熱ガラス越しにポコポコとお湯やコーヒーが上下し、コーヒーが出来上がるまでの過程も目で楽しめるサイフォン

数ある抽出方法の中でも、特に演出効果の高い抽出器具です。

他の方法と比べて手順が多いので慣れが必要ですが、手際よく抽出すればネルフィルターを通したサイフォンならではの良質な酸味と甘みのあるコーヒーが入れられます。

そこで今回の記事では、コーヒー豆本来の良さを最大限に引き出すためのポイントも含めつつ、サイフォンでおいしいコーヒーの入れ方をご紹介します。

 

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サイフォンのおいしい入れ方とは

サイフォンは抽出をはじめたら、手順が多く手際よく作業する必要があるので、しっかり必要なものはあらかじめ準備しておきましょう。

サイフォンの準備

用意するもの

  • サイフォン
  • コーヒー豆 15g
  • お湯 160cc
  • アルコールランプ
  • 木ベラ
  • 布巾

サイフォンのおいしい入れ方レシピ

  1. 器具のセット

    ろ過器に、専用のネルフィルターをセットします。
    新しいネルフィルターの場合は、糊がついているので、鍋にお湯を沸かして、コーヒーの粉と一緒に10分ほど煮沸して糊を落としましょう。
  2. お湯をフラスコに入れる

    フラスコに杯数分のお湯を入れます。抽出されるコーヒー液はお湯の量より少なくなるので、杯数分のラインより少し多めにお湯を入れておきましょう。
    お湯を入れたら、布巾で外側に付いた水滴をしっかり拭き取ります
    *水滴が付いたままだと、加熱して割れる可能性もあるので注意しましょう。
  3. フィルターをセットする

    濾過器のスプリングにある留め金をロートの先に引っ掛けて、フィルターをセットします。
    フィルターが中心からずれないように、木ベラ調節します。

  4. コーヒーの粉を入れる

    杯数分のコーヒーの粉をロートにセットします。
    全部入れたら、コーヒーの粉の面が平らになるように整えます。
  5. お湯の沸騰を確認

    フィルターの先に付いているボールチェーンをフラスコ内に垂らして、沸騰しているか確認します。
    沸騰していれば、ポコポコと泡が出てきます。
    ボールチェーンには、突沸と呼ばれる急激にお湯が吹き出すのを防ぐ効果もあります。
  6. 1回目の撹拌&抽出

    ロートをしっかりフラスコに差し込み、お湯がロートへ上がってきたら、木ベラを使ってコーヒーの粉とお湯をなじませるために、数回円を描くようにして1回目の撹拌をします。
    ビームヒーターなら弱火に、アルコールランプなら少し距離を離して、15秒から45秒間かけてコーヒー液を抽出します。

    チェックポイント
    一回目の撹拌が終わって、ロートの上から泡・コーヒーの粉・液体の3層になっていれば成功です。
    抽出時間の長さによって、できあがるコーヒーの風味が変化します。
    好みに合わせて最適な抽出時間を見つけましょう。
    ただし、1分以上になるとエグみや雑味まで抽出されて味が悪くなるのでご注意下さい。
  7. 2回目の撹拌

    抽出が終わったら、ろ過をスムーズにするために2回目の撹拌を行います。
    火を消して、木ベラで数回ロートの中をかき混ぜ、フラスコへコーヒーが落ちるのを待ちます。
    なかなか落ちない時には、布巾でフラスコを覆って冷やしてあげると、コーヒーが落ちやすくなります。

    チェックポイント
    コーヒー液が落ちた後、細かい泡が表面についたコーヒーの粉がドーム状に盛り上がっていたら、うまく抽出できています。
    細かい泡には、コーヒーの雑味成分が含まれているので、一番上層に残すことで、コーヒー豆のおいしいところだけを引き出すことができます。
  8. ロートを抜いて出来上がり

    完全にコーヒーが落ちきったら、ロートを前後左右に軽く動かして抜きます。
    フラスコ内に落ちきったコーヒーがロートへまた上がってしまう「バックロート」が起きると、コーヒーの味が悪くなるので、手早く抜き取りましょう。
  9. コーヒータイム

    完成したコーヒーを、フラスコからコーヒーカップへ注げば完成です。
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サイフォンでコーヒーをいれるための3つのポイント

サイフォンは浸漬式で安定して淹れやすいとはいえ、工程が多いため慣れるまでには時間がかかるでしょう。

一通りの流れを考えずにでもできるようになったら、以下の3つのポイントにこだわるとより安定しておいしいコーヒーが淹れやすくなります。

サイフォンのポイント1~コーヒー豆の量と挽き方

浸漬式のサイフォンは、ハンドドリップなどの透過式と比べるとコーヒーの粉がお湯と触れる時間が長くなるため、コーヒーの粉の粒度と量によって抽出されるコーヒーの味わいも大きく変わってきます

サイフォンの場合、基本となるコーヒーの粒度は中挽きになります。

コーヒーの粉は細かいほどコーヒーの成分がお湯に溶け込みやすくなり、抽出されるコーヒーの味が濃くなります。
 

ただし細か過ぎると雑味まで一緒に抽出 されます。
逆に粗ければコーヒー成分が抽出されるまでに時間がかかるため、抽出されるコーヒーはすっきりとした味になります。

基本は中挽きですが、抽出されるコーヒーの味には好みがあるので、中細挽きから中粗挽きまでの間で、自分好みの粒度を見つけましょう。
 

コーヒーの粉の粒度に合わせてコーヒーの粉の量を調整することも重要です。
基本となる中挽きの場合、160ccのお湯に対して『15g』が基本になります。

中細挽きなら成分が抽出されやすいので量を減らし、中粗挽きなら薄くならないように少し量を増やします。

以下の表を目安にしましょう。

コーヒーの粉の粒度と量の関係

お湯の量150ccに対して…

『中細挽き』…… 13g
  |
『中挽き』 …… 15g
  |
『中粗挽き』…… 17g

サイフォンのポイント2:お湯の温度

お湯がフラスコからロートに上がり始めたら1回目の撹拌になりますが、この時のお湯の温度が非常に重要です。

アルコールランプがフラスコに近いと、ロートへ上がってきたお湯までぐつぐつと沸騰してしまい、苦味だけでなく渋みやエグミの原因になる成分まで多く抽出されてしまいます。

ロートへとお湯が上がってきたら、アルコールランプや熱源を弱くするか、少し離すようにしましょう。

逆に離し過ぎてしまうと、温度が下がりコーヒーの成分がしっかり抽出されず薄いだけのコーヒーになります。

アルコールランプを使った火力の調節方法

ビームヒーターは火力調節がダイヤルで自由自在にできますが、アルコールランプは基本的に使いながらの火力調節はできません

そのため最近筆者は、ちょうどよい台を使うようにしています。

台にのせた状態でちょうどよい火力になるようにしておいて、火力を弱くしたい時には台を外せばOKです。

ちなみにこの台は100均で売られている鍋の底に置く吹きこぼれ予防のプレートです。
大きさもちょうどサイフォンの台座と干渉しないベストサイズでした。

最近では、この方法が一番火加減の調節がうまくいっているので、お試しあれ。
*こうしていろいろ試行錯誤していると、本当にビームヒーターが欲しくなります。

お湯の温度が下がってフラスコに戻って来てしまったコーヒーに、再びアルコールランプを近づけてロートへ上げてしまうことを「バックロート」といい、コーヒーの味が悪くなる原因になります。
アルコールランプは近づけ過ぎず、離し過ぎずが鉄則。
ロートへ上がるお湯がちょうどいい温度になる位置を見つけよう。

ポイント3~コーヒーの抽出時間

コーヒーの成分をしっかりと引き出すための抽出にかける時間によって、できあがるコーヒーの味は大きく変わってきます。

お湯が上がってきてすばやく1回目の撹拌をしたら、アルコールランプを少し離して抽出を始めます。

抽出時間は『15秒から45秒』を目安にします。

抽出時間が1分を過ぎると、渋みやエグミなど雑味の原因になる成分まで抽出されてしまうので注意しましょう。

お湯が上がり始めてからは、1回目の撹拌→抽出→2回目の撹拌と、あわただしいのでスムーズにできるようになるまでしっかり繰り返し練習しましょう。
 

2回目の撹拌までスムーズに行うと、コーヒーがフラスコに落ちた後、ロートにはドーム状に盛り上がったコーヒーの粉が残ります。

ドームの上部には泡が付着していますが、これはコーヒーの雑味になる成分です。

スムーズに抽出することでコーヒーの旨み成分だけをしっかりと引き出して、クリアな味わいのコーヒーが淹れられます。

関連記事;サイフォンの入れ方|実験ー抽出の時間でコーヒーの味はどう変わる?

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サイフォンでおいしいコーヒーをいれよう

サイフォンで豆の良さをしっかり引き出すための抽出方法をご紹介しました。

演出効果の高さに目が行きがちなサイフォンですが、ポイントをおさえて抽出すれば、コーヒー豆の良さをしっかりと引き出せる抽出方法でもあります。

最初の内はスムーズに抽出できるまでに慣れが必要ですが、今回の記事を参考にしながら、サイフォンでおいしいコーヒーをいれましょう。

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