
カリタの扇形ドリッパーを使っているのに、「薄くなる」「苦みが強い」「毎回味が違う」と感じたことはありませんか?
カリタ式は底に3つの穴がある台形(扇形)のドリッパー。お湯を数回に分けて注ぐことで、すっきりした後味にも、コクのある一杯にも調整できます。
この記事では、既存記事の抽出写真を使いながら、2杯分のレシピ・手順・おいしく淹れる5つのポイントを紹介します。後半では、カリタウェーブとの違いもわかりやすく比較します。
扇形3つ穴のカリタ式なら、まずは粉20g・注ぐお湯300g・90〜93℃・蒸らし30秒を目安に。 中挽きの粉を使い、中心から小さな円を描きながら数回に分けて注ぎます。
注湯300gは粉に注ぐお湯の累計重量です。出来上がるコーヒーは粉が吸う分だけ少なくなり、おおむね240〜270g程度が目安です。豆や挽き目によって変わるため、味を見ながら微調整してください。
5つのコツ:①専用フィルターを正しくセット ②粉量と湯温をそろえる ③約30秒蒸らす ④分けて静かに注ぐ ⑤注湯終了後の落とし方も決めて味をそろえる。
カリタ式ドリッパーとは?3つ穴とリブの特徴

カリタ式とは、独自の3つ穴構造のドリッパーと扇形ペーパーフィルターを組み合わせた抽出方式です。底の3つの穴からコーヒー液が落ち、内側の溝(リブ)がフィルターとドリッパーの間に空間を作ります。
1つ穴のメリタ式が、所定量のお湯をまとめて注いで抽出する設計なのに対し、カリタ式は注ぐ速さ・回数・間隔を自分で調整する楽しさがあります。だからこそ注ぎ手によって味も変わりますが、最初は粉量・湯温・お湯の総量を固定すれば初心者でも始めやすい方式です。
カリタ公式サイトも、3つ穴ならではの抽出コントロールを特徴として紹介しています。
▶ カリタ公式:カリタ式の特徴
注意:カリタの「ウェーブドリッパー」も3つ穴ですが、底が平らで専用のウェーブフィルターを使います。この記事の基本レシピと抽出写真は、主に扇形3つ穴を想定しています。
カリタ式の淹れ方|2杯分の粉・お湯・温度の目安

はじめに基準のレシピを決めましょう。以下は家庭で再現しやすいスタート用の配合であり、メーカーがすべての型番に指定した唯一の正解ではありません。
※スマホの方は表を左右にスクロールしてご覧ください。
| 目安 | 1杯分 | 2杯分 | 3杯分 | 4杯分 |
|---|---|---|---|---|
| コーヒー粉 | 10g | 20g | 30g | 40g |
| 注ぐお湯の累計 | 150g | 300g | 450g | 600g |
| 湯温 | 90〜93℃から試す | |||
| 蒸らし | 約30秒 | |||
お湯300g=出来上がり300mLではありません。コーヒー粉に吸収される水分があるため、サーバーにたまる液量は少なくなります。旧記事の表にあった「2杯分24ml」は「240ml」の誤記と思われますが、ここでは誤解を避けるため注湯量と出来上がり量を分けて説明します。
コーヒー粉は中挽きを基本に、すっきりさせたいなら少し粗く、濃さを出したいなら少し細かく調整してください。杯数が増えた場合はドリッパーの容量も確認します。
用意する道具
- カリタの扇形3つ穴ドリッパー(杯数に合った101・102など)
- 扇形の専用ペーパーフィルター
- コーヒー粉、ドリップポット、サーバーまたはカップ
- キッチンスケール(できればタイマー付き)
- 湯温を測る温度計(あれば便利)
カリタ公式は扇形には扇形フィルター、ウェーブには専用ウェーブフィルターを案内しています。形の違うフィルターを無理に使わないようにしましょう。
▶ カリタ公式:ドリッパーとフィルターのよくある質問
カリタ式ドリッパーでおいしく淹れる手順【写真付き】

STEP1|ペーパーフィルターを折ってセット

フィルターの底と横の接着部分を互い違いに折り、ドリッパーの形に沿わせます。必要に応じて器具やカップをお湯で温め、温めた水は捨てておきます。
STEP2|粉20gを入れて表面を平らにする

2杯分なら粉20gを入れ、軽く揺らして表面を平らにします。サーバーとドリッパーをスケールにのせ、表示を0gにしてください。
STEP3|約40g注いで30秒蒸らす


90〜93℃前後のお湯を粉全体がしっとり湿る程度(目安40g)注ぎます。タイマーを始め、注ぎ始めから約30秒まで待ちましょう。
粉が大きく膨らまなくても失敗ではありません。焙煎後の日数や豆の種類でも膨らみ方は変わります。
STEP4|中心から小さな円を描いて分けて注ぐ


蒸らしが終わったら、湯面を必要以上に高くしないよう中心から小さく円を描きながら注ぎます。勢いよく注いで粉を大きく崩さず、外周のペーパーに直接お湯を当て続けないのがコツです。
初めは累計40g → 120g → 210g → 300gの4段階で試しましょう。これは毎回その量を追加するという意味ではなく、スケールに表示される累計重量です。次の注湯は、湯面が下がり、粉の中央が少しくぼみ始めたころを目安にしてください。湯面が高いまま次のお湯を足し続けず、反対に粉が完全に乾くまで長く待たないのが基本です。注ぐ間隔は挽き目やドリッパーのサイズで変わるため、最初はこの粉面の変化を合図にするとわかりやすくなります。
注ぐ速さや豆の挽き目によって抽出時間は変わります。2分30秒〜3分30秒程度は調整の出発点ですが、時間だけを合わせようとせず、粉面・味・注湯量を見ながら調整してください。
STEP5|累計300gで注ぎ終え、少しお湯が残るうちに外す


スケールの累計表示が300gになったら注湯を止め、初心者のうちは湯面が下がってもドリッパーに少しお湯が残る段階で外す方法から試してみましょう。 これなら写真の手順と一致し、抽出の終わりを自分で決めやすくなります。ここでいう300gは注いだお湯の総量であり、カップに入るコーヒーの量ではありません。
コツは「毎回、同じくらいの湯面と出来上がり量で外す」こと。後半の抽出を早めに切り上げると味わいがすっきりする場合がありますが、泡や最後の一滴が必ず雑味になるわけではありません。慣れたら最後まで自然に落とす方法とも飲み比べて、好みを探してみてください。最後にサーバー内を軽く混ぜてからカップに注ぎます。
以前の記事で紹介していた動画も、実際の注ぎ方の参考になります。動画内の分量・器具や説明が本文と異なる場合は、本文の手順を基準にしてください。
味を安定させる5つのポイント
1.フィルターとドリッパーのサイズを合わせる
扇形には扇形、ウェーブにはウェーブ専用のフィルターを使います。フィルターが浮いたり折れたりすると、お湯の通り方が安定しません。
2.粉量・お湯の総量・温度を毎回そろえる
2杯なら粉20gと注湯300gを基準に、まずは90〜93℃で試します。抽出後のカップ量ではなく注いだお湯の重量を基準にすると再現しやすくなります。
3.蒸らしで粉全体を均一に湿らせる
最初の注湯は粉の一部分だけに偏らないようにして、20〜30秒程度待ちます。豆が膨らむこと自体より、粉にお湯が行き渡ることが大切です。
4.小さな円で静かに注ぐ
カリタ式3つ穴は注湯によるコントロールを楽しめる構造。お湯が一気に落ちても、慌てて大量に注がず、湯面と粉の様子を見て注ぐと味を調整しやすくなります。
5.一度に変える条件はひとつだけ
薄ければ粉量や挽き目、苦ければ挽き目や湯温など、変更点を一つに絞ると好みの味に近づけやすくなります。詳しくは次の早見表も参考にしてください。
カリタ式で薄い・苦い・渋いときの調整方法
味の原因は豆や焙煎度によっても変わります。まずは以下を一項目ずつ試してみましょう。
※スマホの方は表を左右にスクロールしてご覧ください。
| 困ったこと | 最初に試したい調整 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 薄い・物足りない | 粉を少し増やす/少し細かく挽く | お湯を多く注ぎすぎていないか |
| 苦い・重すぎる | 少し粗く挽く/湯温を少し下げる | 細挽き・高温・長い抽出になっていないか |
| 酸っぱく感じる | 少し細かく挽く/湯温を少し上げる | 豆本来の酸味か、抽出不足か |
| 味が毎回違う | 粉量と注湯重量を固定する | 蒸らしや注湯位置に大きな差がないか |
| 落ちるのが遅い | 少し粗く挽く | 微粉が多い、フィルターがつぶれていないか |
味の調整を始める前に、コーヒー粉の鮮度や使っている水も確認してみてください。
カリタの扇形3つ穴とウェーブドリッパーの違い

「カリタ式」と聞くと扇形3つ穴を思い浮かべる人が多いですが、カリタには底が平らなウェーブシリーズもあります。どちらも3つ穴ですが、形とフィルターが異なります。
※スマホの方は表を左右にスクロールしてご覧ください。
| 比較項目 | 扇形3つ穴(101・102など) | ウェーブ(155・185など) |
|---|---|---|
| 本体の形 | 台形・扇形 | 平底・円形 |
| 穴 | 3つ | 3つ |
| 内部の特徴 | リブ(溝)がある | 平らな底とウェーブフィルター |
| 使うフィルター | 扇形フィルター | ウェーブフィルター |
| 淹れ方の傾向 | 注ぎ方による変化をつけやすい | 粉にお湯を行き渡らせやすい設計 |
| 選び方 | 定番の扇形を使いたい人 | 平底の淹れやすさを試したい人 |
扇形3つ穴|定番の101・102

カリタの伝統的な扇形。公式の対応杯数は101が1〜2人用、102が2〜4人用です。素材はプラスチック・陶器・銅などから選べます。カリタ公式・101/カリタ公式・102
普段1杯なら101、2杯分をよく淹れ、お湯を数回に分けて注ぎたいなら余裕のある102を選ぶのもおすすめです。101でも2杯分は公式の対応範囲なので、「20gでは必ずあふれる」とは限りません。粉の膨らみ方や注ぐ勢い、フィルターの状態によって余裕が変わるため、器具を初めて買う場合は日常の杯数で選びましょう。
102を選ぶ方は、ペーパーフィルターも102用を揃えてください。 ドリッパー本体だけを購入してフィルターのサイズが合わない、という失敗を防げます。
素材はどれがおすすめ?プラスチック・陶器・銅を比較
同じ扇形のカリタ式でも、素材によって重さや予熱のしやすさ、価格帯が異なります。初めてなら軽くて手頃なプラスチック製がおすすめ。予算を抑えて注ぎ方の練習を始められます。
※スマホの方は表を左右にスクロールしてご覧ください。
| 素材 | よいところ | 気をつけたい点 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| プラスチック製 | 比較的安価・軽量・割れにくい。陶器や銅ほど器具自体の予熱に気を使わず始めやすい | 耐熱温度や変形、経年劣化を確認 | 初めて買う人・普段使い |
| 陶器製(ロトなど) | 重厚感と質感が魅力。安定して置きやすい | 重く割れることがある。冷えていると湯温を奪いやすいので予熱を | 風合いや使い心地にこだわる人 |
| 銅製 | 熱伝導率が高く、金属の質感を楽しめる | 高価な傾向。熱くなりやすく、手入れや取り扱いに注意 | 器具の素材やデザインを楽しみたい人 |
「銅製だから必ずおいしくなる」「プラスチック製なら必ず味が安定する」というわけではありません。 味を大きく左右するのは、粉量・挽き目・湯温・注ぎ方をそろえることです。
\ まずは定番の扇形3つ穴を試したい方へ / 杯数に合うドリッパーと専用フィルターをセットで選ぶと迷いにくくなります。
ウェーブ|155・185

カリタ公式は、20個のウェーブを持つ専用フィルターと平らな底が、粉へのお湯のなじみやすさにつながると説明しています。155・185はサイズ違いなので、抽出したい杯数に合わせて選んでください。
\ 注ぎやすい平底ドリッパーが気になる方へ / ウェーブ本体だけでなく、専用フィルターも合わせて確認しましょう。
カリタ式・メリタ式・ハリオV60・コーノ式の違い
カリタの淹れ方に慣れたら、ほかのドリッパーと比べてみるのも楽しい方法です。各方式の特徴と専用記事をまとめました。
※スマホの方は表を左右にスクロールしてご覧ください。
| ドリッパー | 代表的な特徴 | 関連記事 |
|---|---|---|
| カリタ式 | 扇形3つ穴・注湯を分けてコントロール | 本記事 |
| メリタ式 | 台形1つ穴・一度に注ぐ方式が基本 | メリタ式の淹れ方 |
| ハリオV60 | 円錐形・大きな1つ穴 | V60の淹れ方 |
| コーノ式 | 円錐形・独自のリブ構造 | コーノ式の淹れ方 |
\ 円錐形のドリッパーも試してみたい方へ /
メリタ式・コーノ式の特徴が気になる方は、上の比較表からそれぞれの解説記事をご覧ください。
カリタ式ドリッパーのよくある質問
カリタ式は初心者でも使えますか?
はい。粉量・湯温・お湯の総量を固定すれば、初心者でも十分使えます。 メリタ式より注ぎ方で味を動かしやすいので、初めは蒸らし+数回の注湯で慣れ、好みに応じて間隔や湯量を調整する楽しさがあります。
1杯分は粉何g、お湯何mLが目安?
この記事では粉10g・注湯150gをスタート用の目安にしています。粉の吸水分だけ、出来上がり量は少なくなります。
「101」と「102」の違いは何ですか?
101は1〜2人用、102は2〜4人用です。1杯を中心に淹れるなら101、2杯をよく淹れて注湯時に余裕がほしいなら102が候補です。どちらも対応するサイズのペーパーフィルターを選びましょう。
扇形にウェーブフィルターは使えますか?
基本的には使い分けてください。カリタ公式は扇形には扇形フィルター、ウェーブ型にはウェーブフィルターを案内しています。
蒸らしは必ず30秒必要ですか?
約30秒はわかりやすい基準です。20〜30秒程度から試し、豆の状態や味に応じて調整してください。大きく膨らまなくても問題ありません。
まとめ|カリタ式は「粉量と注湯」をそろえるとおいしく淹れやすい

カリタ式ドリッパーは、扇形の3つ穴からコーヒーを抽出する定番の器具です。初心者のうちは粉20g・お湯300g・90〜93℃・蒸らし約30秒という同じ条件で淹れ、濃さや苦みを一つずつ調整していくのがおすすめです。
ウェーブドリッパーとは構造もフィルターも異なるので、購入時には好みの淹れ方と使う杯数に合わせて選びましょう。











