ボリビアのコーヒー豆の特徴|おすすめの農園と産地や種類、等級について

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アンデス山脈とアマゾンにつながる南米ボリビア

ウユニ塩湖や古都スクレなどで有名ですが、知る人ぞ知る、特徴豊かなコーヒーの産地でもあります。

日本ではあまり知られていないボリビアコーヒーの魅力おすすめの農園についてご紹介します。

 

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ボリビアのコーヒー豆の特徴

ボリビアの位置

  • ボリビアコーヒー年間生産量:22,121トン
  • 世界シェア:1%以下
  • 生産国量ランキング:30位
    2018年度調査

コーヒー世界生産市場において、ボリビアは決してメジャーではありません。
実際、南米のコーヒー生産国の中でも、お隣のペルーは7位に、ブラジルに関しては堂々の1位です。

しかし、生産量こそ少ないですが、ボリビアコーヒーは「知る人ぞ知る」希少価値の高い良質豆として注目されています

コーヒー産地ボリビアとはどんな国?

ボリビアは、金銀などの鉱物資源と自然豊かな山岳国ですが、貧しい国でもあります。
コーヒーよりも大豆、トウモロコシなどの農作物で有名かもしれません。

首都ラパスは、標高3600m越えで「雲の上の街」とも言われています。
レンガ造りの建物が並ぶ美しい街並みに、市民の移動手段はロープウェーというこの都市は、どことなく雲の上らしい情緒を感じさせてくれます。
15世紀の半ばから中央アンデスはスペインに支配されており、ボリビアもかつてはスペインの植民地でした。
しかし、ボリビアでは今でも国民の4割は先住民が占めていて、昔ながらの文化を継承しています。

コーヒー豆産地としてのボリビア

コーヒー豆産地としてのボリビアをみると、コーヒー生産に向いた土地はごく一部です。
アラビカ種のコーヒーは、標高800m~2000mくらいが栽培に適しており、富士山級の高さになる首都ラパスなどはコーヒー栽培に向きません。

そのためボリビアのコーヒー生産は、主にラパス近郊のユンガス地方(標高1500m~)で行われています。
ユンガス地方は、ペルーとの国境にあるチチカカ湖からの湖水蒸発で、適度な湿度が維持され肥沃な土壌でコーヒー栽培に適しているのです。

しかし、ボリビアは、ラテンアメリカ諸国の中でとても貧しい国の一つ。

そのため、コーヒーの生豆の生産処理を行うインフラ整備はもちろん、山岳地域の流通経路の確保も困難です。
収穫、精製されたコーヒーの生豆は、かつて、ラパスとユンガスの間をつなぐ「デスロード」(ユンガスの道)といわれる、山肌を削って作った狭くとても危険な山道を経由して運送されていました。
*毎年多くの事故が起きていたため、現在は別の新しい道ができています。

ボリビアのコーヒー豆の歴史

ボリビアのコーヒー豆の歴史は、スペイン植民地時代の入植者によってはじまりました。
しかしボリビアは、赤道から北緯南緯それぞれ25度以内の「コーヒーベルト」に位置する国であるにも関わらず、標高が高すぎてコーヒー栽培に向いていませんでした。

そこで、比較的標高の低い渓谷の斜面に小規模なコーヒー農園を切り開いて生産を始めました
山の斜面のため、もちろん大型機械を導入することはできません。

しかし、その分手作業で大事に育てられたボリビアコーヒーは、密度が高く香り豊かな高級豆として、スペシャリティコーヒーの世界で注目されるようになります

そして、2000年代にはカップ・オブ・エクセレンス(COE国際的コーヒー品評会)がボリビアで開催され、スペシャリティコ―ヒーとしてボリビアコーヒーが高く評価されました。
現在は、資金不足で開催していませんが、ボリビア政府による国内品評会で、毎年コーヒー業者を魅了しています。

ボリビアのコーヒー豆栽培

ボリビアコーヒー豆の栽培と収穫は、引き続き小規模農園で行われていることが多いです。

途上国のボリビアでは、政府がコーヒー産業を推進するにも設備投資が難しく、実際のところ農園のほとんどは家族経営で栽培から収穫まで手作業で行われています。

主な栽培品種は「ティピカ」「カトゥーラ」で、収穫したコーヒーチェリーは、水洗式(ウォッシュド)で処理されています。

スタッフ
「ウォッシュド」とは、コーヒーチェリーを貯水槽に入れ、パルパーで果肉を除去した後、発酵槽で表面の粘液質を分解します。その後水洗いし、乾燥させる処理方式です。

ちなみに、先端がとがった細長い形が特徴の「ティピカ」はアラビカ種の原種に近い品種で風味に優れますが、カビなど病気に弱く生産性も低いという弱点があります
そのため、南米の多くのコーヒー生産国は、ティピカよりも育てやすいブルボンを栽培していることが多いです。この先ティピカ種のコーヒー栽培は減少していくことが予想されます。

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ボリビア産コーヒー豆の味の特徴

ボリビア産コーヒー豆の味の特徴は、バランスのよい酸味と甘み、そしてチョコレートのような深い風味です。これは、発育条件に大きく影響しています。

一般的に、高地における植物の栽培は、発育が遅い傾向があります。
標高1500m越えのボリビアコーヒーも例外ではありません

ボリビアのコーヒーチェリーは、寒暖差が激しい山岳地で、農園主によって大事に手塩をかけられてゆっくりと育ちます
中には、残念ながら霜やカビのために育たないコーヒーノキもあります。

しかし、厳しい生育条件を乗り越えて育ったコーヒーチェリーは、実がひきしまり、甘く香り豊かな風味と奥行きのある酸味が特徴のコーヒーになります。

こうした特徴ゆえに、生産量は世界的に見れば非常にわずかですが、ボリビアのコーヒー豆は国際的に評価されています。

おすすめの飲み方

ボリビアコーヒーの風味と甘さを十分に楽しむなら、まずは中煎りの豆を中挽きにして「ハンドドリップ」がおすすめです。

普段通りの方法でボリビアのコーヒーを抽出してみて、ほかのコーヒー豆との違いを確認してみましょう。

また、ボリビアの豆の個性を味わいたいなら、「フレンチプレス」もおすすめです。
「お湯を注ぎ4分待つだけ」と、比較的難易度の低い抽出方法ですが、豆の個性をダイレクトに抽出するので丸山珈琲さんなどスペシャリティコーヒー専門店でも採用しているところが多いです。

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ボリビアのコーヒー豆の等級について

コーヒー生産国の多くでは、栽培高度やスクリーンサイズ等、豆の品質基準や等級が決められていますが、ボリビアコーヒーには明確な判断基準がありません

そのためおいしいボリビアのコーヒーが飲みたければ、農園の特徴まで確認できるシングルオリジンを購入しましょう。
シングルオリジンを飲み比べしながら、好みのコーヒー豆を探してみてください。

おすすめの農園1「アグロタケシ農園」


「アグロタケシ農園」は、おそらくボリビアのコーヒー農園の中で最も有名なコーヒー生産者でしょう。
2009年に行われたボリビアCOE(カップ・オブ・エクセレンス、国際的コーヒー品評会)で1位に入賞した非常に希少価値の高いコーヒーを生産しています。

ユンガス地方南部にあるアグロタケシ農園は、標高1900m以上(~2600m)の位置のタケシ川を見下ろす渓谷の斜面にあります。
朝夕の寒暖差が大きく厳しい気候条件の中で、一般的なコーヒー栽培地よりも高い標高で長い時間をかけて大事に育てられています。
2600m級の山肌でも霜被害に合わず、長い時間をかけてコーヒーチェリーが熟するまで育てられることは、奇跡的といっても過言ではありません。

その結果、果物のようでフローラルな風味と酸味、そして口の中に残る甘い後味が特徴的な非常に品質の高いコーヒーができあがります。

ボリビアのコーヒーを語る上で外せない農園です。
 

 

おすすめの農園2「アプロカフェ農協」


「アプロカフェ農協」は、49のボリビアの小規模コーヒー農園が加盟した生産者組合で、北ユンガス地方のカラナビ県(標高1400m~1600m)にあります。
各農園がコーヒーチェリーの栽培、収穫、豆を処理する過程までを行い良質の生豆を生産しています。

アプロカフェ農協では、ボリビアコーヒー豆の品質向上と、生産者とバイヤーの公正取引に尽力していて、32の加盟農園で米バイオラティーナ有機認証や国際フェアトレード認証を受けています。

実はボリビアでは、コカの栽培が合法で、高山病にきくというコカ茶は地元で愛飲されています。
そして最近では、経営難の農家ではコーヒーより育てやすく、高値で売れるコカ栽培に移行するところが増えているそうです。

そのような中、アプロカフェ農協では、小さな農園が手を取り合い、ボリビアのコーヒー産業の発展を目指しています。
アプロカフェ農協のコーヒーは、ボリビアらしい特徴的な甘みと、バランスの取れた風味が味わえるマイルドなコーヒーです。

そして購入することで一人のコーヒー愛飲家として、ボリビアのコーヒー発展にわずかながら貢献することができます。
 

 

上質な甘みのボリビアコーヒーを楽しもう

豊富な天然資源に恵まれているにもかかわらず、なかなか経済の発展が進まないボリビア

そんな状況でも、コーヒーはこれからもボリビアが世界に自信をもって送れる特産物です。
高地栽培のボリビアコーヒーは、豊かなコクと甘さが特徴で、アメリカやヨーロッパ、日本など世界中のコーヒーハンターの舌をうならせています。

数々の困難に直面しながらも丹精込めて育てられたコーヒーを味わってみるのはいかがでしょうか?

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