数あるコーヒー豆の生産国の中で、生産量でNo.1なのがブラジル。
日本でも広く流通しているので目にする機会も多いかもしれません。
そこで今回はブラジルのコーヒー豆に注目して…
- ブラジルはどんなコーヒーの産地?
- ブラジルのコーヒー豆の種類は?
- ブラジル産コーヒーの銘柄や等級の決まり方や選び方は?
といった疑問にお答えしたいと思います。
本当においしいブラジル産のコーヒー豆を見つけるためにお役立てください。
INDEX
ブラジルのコーヒー豆の特徴
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「コーヒー」と聞くと、多くの方がブラジルを思い浮かべるかもしれません。
それもそのはず、2017年の生産量は約270万トンと全世界のコーヒー生産量の約1/3がブラジルで作られているのです。
ブラジルでコーヒー豆の生産が始まったのは18世紀半ば頃からで、1840年代にはブラジル経済にとって最も重要な収入源となります。
生産量のほとんどはアラビカ種で、最初ブラジルの北に位置するフランス領ギアナから持ち込まれたブルボン種にルーツがあります。
※ブルボン種とは、アラビカ種の品種の1つで、ティピカ種が突然変異してできたコーヒー豆で甘みが強いのが特徴。
ブラジル産コーヒー豆の味の特徴
苦味 ★
コク ★
- 酸味と苦味のバランスに優れている。
- コーヒーベルトの他の国と比べると生産地の標高が低く、酸味が控えめになるのが特徴。コーヒーの酸味が苦手な人でも飲みやすい。
- バランスに優れていることからブレンドコーヒーのベースにもよく用いられる
ブラジルのコーヒー豆の味の特徴については、よく「バランスに優れている」と聞きますが、実はひとくくりにブラジルのコーヒー豆の特徴を伝えるのはとても難しいんです。
というのも、ブラジルは国土の中での生産面積がとても広く、地域によっても標高・気候・栽培方法・精製方法が異なるため、各地域や農園によってできあがるコーヒーの特徴もかなり変わってくるのです。
ブラジルの代表的な2ヶ所の生産地区について見てみましょう。
ブラジルの産地によるコーヒー豆の特徴の違い
ブラジルの代表的な2ヶ所の生産地区について見てみましょう。
大規模農園が多いセラード地区
ブラジルのコーヒー生産地の中でも平坦な土地が広く続くセラード(cerrado)地区では、大規模農園が多く、機械を使った最先端の栽培・収穫が行われています。
ブラジルのコーヒー豆の精製*には、昔ながらのナチュラルという方法が広く用いられていますが、セラード地区では水洗設備を活用したウォッシュドでの精製が行われています。
そのためコーヒー豆の品質が保たれ、クリーンで香味にも優れたコーヒー豆が出来上がります。
この地域で生産されるコーヒー豆は“セラード+〇〇(生産者名・農園名)”で呼ばれることが多く、ブラジル産でも高級豆に分類されます。
*精製とは…コーヒーの実を果実から生豆に加工する工程。
ブラジルのセラード地区産のコーヒーはコチラ
小規模農園が多い山岳地帯のスルデミナス地区
スルデミナス(sur de minas)地区はセラード地区と同じくミナスジェライス州の都市ですが、山々に囲まれた山岳地帯に位置しています。
手作業で栽培・収穫を行う小規模農園が多く、昔ながらのストリッピングと呼ばれる枝から葉ごとコーヒーの実を引き剥がす収穫方法が用いられています。
この方法では熟していない実も混ざるため、その後の選別作業によって出来上がるコーヒーの品質が左右されます。
精製方法は伝統的なナチュラルでしたが、近年になってパルプドナチュラルを採用する農園が増えて品質も向上しています。
また、コーヒーの実は熟すと赤くなるのが普通ですが、この地域では熟すときれいな黄色に変化するイエローブルボン種を栽培している農園もあります。
イエローブルボン種は甘みが他のブルボン種よりも強いと言われています。
ブラジルのスルデミナス地区のコーヒーはコチラ
ブラジルのコーヒー事情
ほとんどのコーヒー生産国にとってコーヒー豆は重要な収入源なため、その大部分は国外へと輸出されます。
しかし、近年ブラジルではコーヒーを愛飲する人が非常に増えていて、実はコーヒーの消費量でも世界No.2になっています(ちなみに日本の消費量は世界4位)。
そのため、ブラジルの大都市の街中を歩くと、いくらでもおしゃれなカフェを見つけることができます。
ブラジルのコーヒー豆の選び方
一口に“ブラジルのコーヒー豆”と言っても、店頭や通販サイトでは何種類もブラジルのコーヒー豆が販売されているので、「どれを選んだらいいのかわからない…」悩んだことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
では、ブラジルのコーヒー豆の等級(格付け)や銘柄について確認して、選ぶ際の参考にしてみてください。
ブラジルコーヒーの等級の決まり方
一番わかりやすいのが、販売している豆の等級(格付け)を確認する方法でしょう。
国によって判断基準は異なりますが、ブラジルの場合はランダムに抽出された300gのサンプルの中の欠点豆の数・スクリーンサイズ・カップテストの3点を複合的に判断して等級が分かれるため、ちょっと複雑です。
一般的にブラジル産のコーヒー豆を購入する際には、この3つの評価がコーヒー豆の産地や銘柄と一緒に「ブラジル サントス No.2 #20 STRICITY SOFT 」といった具合に記載されています(No.2とスクリーンサイズ飲みが表記されている場合も多いですが…)。
1.欠点豆の数
小石が1個混じっていれば-1、虫食い豆が2個混じっていれば-1といった具合に、欠点豆や異物の数に応じて減点されます。
最高評価は「No.2 」です。
「No.1」がないのは「コーヒーは農作物であり完璧なものはない」というブラジルのこだわりからです。
欠点豆の数 | |
等級 | 減点数 |
No.2 | 4点以下 |
No.3 | 8点以下 |
No.4 | 26点以下 |
No.5 | 46点以下 |
No.6 | 86点以下 |
No.7 | 160点以下 |
No.8 | 360点以下 |
2.スクリーンサイズ
スクリーンサイズとはコーヒー豆のサイズのことです。
20から13までの8段階に分かれ、スクリーンサイズの数字が大きいほど品質が良いとされています。
スクリーンサイズ | ||||||||
表記 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 |
大きさ | ←大ーーーーーーーーーーー小→ |
3.カップテスト
実際にサンプルの香味が確認されます。
サンプルのカップにどれくらい不快な刺激を感じるかで判断され5段階で評価されます。
カップテスト | |
表記 | 意味 |
STRICITY SOFT | 十分に滑らかで不快な刺激のない味わい |
SOFT | 滑らかな味わい |
HARD | 刺激を感じる味わい |
RIOY | 軽い不快な刺激のある味わい |
RIO | 不快な刺激のある味わい |
ブラジルの最高等級のコーヒーはコチラ
ブラジルコーヒーの特徴や種類を知ってコーヒーをもっと楽しもう
ブラジル産のコーヒーの特徴や種類、等級(格付け)の分かれ方など、詳しくご紹介しました。
広い国土の中で作られる世界No.1の生産量のコーヒーは、同じブラジル産でも場所や農園によって風味の特徴が変わってきます。
今回ご紹介した情報を参考にしながら、本当においしいブラジルコーヒーを見つけましょう。