
ブラジルのコーヒー豆は、ひとことで言うと「バランス型で“毎日飲める”安定感」のタイプです。
この記事では、味の特徴(結論)→向き不向き→産地別の違い→失敗しない選び方の順で、初めてでも迷わないようにまとめます。
INDEX
ブラジルのコーヒー豆の特徴【結論:味の要点】
まず結論から。ブラジル産は「酸味と苦味のバランスが良く、酸味が控えめで飲みやすい」のが魅力です。
- 香り:ナッツ/チョコ/カカオ系、やさしい甘い香り
- 酸味:弱め〜中程度(酸味が苦手でも比較的飲みやすい)
- 苦味:弱め〜中程度(焙煎で調整しやすい)
- コク:中程度(ミルクとも相性が良い)
ブラジルは国土が広く、地域ごとに標高・気候・栽培・精製が違うので、同じ「ブラジル」でも味の方向性が変わります。
まずは“ざっくり”を掴めばOKです。
ブラジル豆はどんな人に向いている?
向いている人
- クセの少ないコーヒーが好き(毎日飲む用にしたい)
- 酸味が強いコーヒーが苦手だけど、香りも楽しみたい
- カフェオレ/ラテなどミルク系で飲むことが多い
- ブレンドのベースにできる安定した豆を探している
向いていない人
- 華やかなフルーティ酸味(エチオピア系)がド真ん中
- 尖った個性(強烈な発酵感やスパイス感)を求めている
- 浅煎りの“果実っぽさ”が最優先で、軽い酸味でも物足りない
※ただし、産地・精製・焙煎度で印象はかなり変わります。(後半の「選び方」を見れば失敗しにくくなります)
代表的な産地・味の違い
ブラジルは地域によって作り方が違い、味の印象も変わります。まずはざっくり比較でOKです。
- セラード(Cerrado)地区:大規模農園が多く、機械収穫が進む。ウォッシュド精製も行われ、クリーンで香味が整いやすい傾向。
- スルデミナス(Sul de Minas)地区:山岳地帯で小規模農園も多い。ナチュラル中心だが近年はパルプドナチュラルも増え、甘み・飲みごたえが出やすい傾向。
- サントス(Santos):輸出港名として流通する“銘柄名”で見かけることが多い。産地表記がざっくりな分、迷ったら選びやすいバランス型として扱われがち。
大規模農園が多いセラード地区
ブラジルのコーヒー生産地の中でも平坦な土地が広く続くセラード(cerrado)地区では、大規模農園が多く、機械を使った最先端の栽培・収穫が行われています。
ブラジルのコーヒー豆の精製*には、昔ながらのナチュラルという方法が広く用いられていますが、セラード地区では水洗設備を活用したウォッシュドでの精製が行われています。
そのためコーヒー豆の品質が保たれ、クリーンで香味にも優れたコーヒー豆が出来上がります。
この地域で生産されるコーヒー豆は“セラード+〇〇(生産者名・農園名)”で呼ばれることが多く、ブラジル産でも高級豆に分類されます。
*精製とは…コーヒーの実を果実から生豆に加工する工程。
ブラジルのセラード地区産のコーヒーはコチラ

小規模農園が多い山岳地帯のスルデミナス地区
スルデミナス(sur de minas)地区はセラード地区と同じくミナスジェライス州の都市ですが、山々に囲まれた山岳地帯に位置しています。
手作業で栽培・収穫を行う小規模農園が多く、昔ながらのストリッピングと呼ばれる枝から葉ごとコーヒーの実を引き剥がす収穫方法が用いられています。
この方法では熟していない実も混ざるため、その後の選別作業によって出来上がるコーヒーの品質が左右されます。
精製方法は伝統的なナチュラルでしたが、近年になってパルプドナチュラルを採用する農園が増えて品質も向上しています。
また、コーヒーの実は熟すと赤くなるのが普通ですが、この地域では熟すときれいな黄色に変化するイエローブルボン種を栽培している農園もあります。
イエローブルボン種は甘みが他のブルボン種よりも強いと言われています。
ブラジルのスルデミナス地区のコーヒーはコチラ
精製方法で変わる味|ウォッシュド/ナチュラルの選び方
ブラジルは伝統的にナチュラル精製が多い一方で、地域によってはウォッシュド精製も行われます。
迷ったら次の基準がシンプルです。
- ウォッシュド:クリーンで雑味が少なく、飲みやすい方向になりやすい
- ナチュラル:甘みや香ばしさが出やすく、チョコ・ナッツ系の厚みが出やすい
- パルプドナチュラル:ナチュラルの甘みとウォッシュドのクリーンさの“間”を狙いやすい
おすすめの焙煎度・飲み方(初心者向け)
- 浅煎り:やさしい甘い香りが出やすい(ただし酸味はやや立つことも)
- 中煎り:バランスの良さが一番わかりやすい。まずはここが無難
- 深煎り:苦味とコクが出て、カフェオレ・ラテ向き
酸味が気になる場合は、中煎り〜深煎りを選び、抽出は湯温を少し下げる(90℃前後)と飲みやすくなります。
ブラジル豆の選び方(失敗しない3チェック)
- 産地(地区):まずはセラード(クリーン)かスルデミナス(甘み・厚み)で方向性を決める
- 精製方法:迷ったらウォッシュド(飲みやすい)→甘み重視ならナチュラル
- 焙煎度:毎日用なら中煎り、ミルク派なら深煎り寄り
よくある誤解・失敗例
よくある誤解
- 「ブラジル=無難で安いだけ」→ 実際は地域差が大きく、精製やロットで香味は大きく変わります
- 「ブラジルはブレンド専用」→ 単体でも“甘香ばしさ”を楽しめる銘柄があります
失敗例と回避策
- 失敗:「ブラジル」とだけ書かれた豆を買って、思っていた甘み・香りと違った
回避:まずは地区名(セラード/スルデミナス)+精製(ウォッシュド/ナチュラル)+焙煎の3点で選ぶ
ブラジルのコーヒー豆の等級について
ブラジルの等級は少し複雑で、一般的に「欠点豆の数(No.)」「スクリーンサイズ」「カップテスト」を組み合わせて評価されます。
例として、通販などで「Brazil Santos No.2 #20 STRICITY SOFT」のように表記されることがあります。
ざっくり理解(買うときに役立つ要点)
- No.(欠点豆評価):最高評価はNo.2(No.1は設けない運用)
- スクリーンサイズ:豆の大きさ。数字が大きいほど大粒で評価が高い傾向(例:#17〜#20)
- カップテスト:香味の滑らかさ・不快な刺激の有無で段階評価(例:STRICITY SOFT=十分に滑らか、など)
ブラジルコーヒーの等級の決まり方
一番わかりやすいのが、販売している豆の等級(格付け)を確認する方法でしょう。
国によって判断基準は異なりますが、ブラジルの場合はランダムに抽出された300gのサンプルの中の欠点豆の数・スクリーンサイズ・カップテストの3点を複合的に判断して等級が分かれるため、ちょっと複雑です。
一般的にブラジル産のコーヒー豆を購入する際には、この3つの評価がコーヒー豆の産地や銘柄と一緒に「ブラジル サントス No.2 #20 STRICITY SOFT 」といった具合に記載されています(No.2とスクリーンサイズ飲みが表記されている場合も多いですが…)。
1.欠点豆の数
小石が1個混じっていれば-1、虫食い豆が2個混じっていれば-1といった具合に、欠点豆や異物の数に応じて減点されます。
最高評価は「No.2 」です。
「No.1」がないのは「コーヒーは農作物であり完璧なものはない」というブラジルのこだわりからです。
| 欠点豆の数 | |
| 等級 | 減点数 |
| No.2 | 4点以下 |
| No.3 | 8点以下 |
| No.4 | 26点以下 |
| No.5 | 46点以下 |
| No.6 | 86点以下 |
| No.7 | 160点以下 |
| No.8 | 360点以下 |
2.スクリーンサイズ
スクリーンサイズとはコーヒー豆のサイズのことです。
20から13までの8段階に分かれ、スクリーンサイズの数字が大きいほど品質が良いとされています。
| スクリーンサイズ | ||||||||
| 表記 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 |
| 大きさ | ←大ーーーーーーーーーーー小→ | |||||||
3.カップテスト
実際にサンプルの香味が確認されます。
サンプルのカップにどれくらい不快な刺激を感じるかで判断され5段階で評価されます。
| カップテスト | |
| 表記 | 意味 |
| STRICITY SOFT | 十分に滑らかで不快な刺激のない味わい |
| SOFT | 滑らかな味わい |
| HARD | 刺激を感じる味わい |
| RIOY | 軽い不快な刺激のある味わい |
| RIO | 不快な刺激のある味わい |
おすすめの農園・銘柄(まず試すなら)
まず試すなら、表記で迷いにくい“王道”からがおすすめです。
- セラード地区表記の豆:クリーンで安定しやすく、「まずの一歩」に向く
- スルデミナス地区表記の豆:甘み・香ばしさが出やすく、単体でも満足しやすい
- サントス表記(Santos):流通量が多く、迷ったときの基準点として使いやすい
ブラジルの最高等級のコーヒーはコチラ

まとめ|ブラジル豆はこんな人におすすめ
- おすすめタイプ1:毎日飲む用に、クセの少ないバランス型を探している人
- おすすめタイプ2:酸味が苦手だけど、香りも楽しみたい人
- おすすめタイプ3:ミルク系(カフェオレ・ラテ)でコクを出したい人
ブラジルの豆は、「安定感があって選びやすいのに、産地・精製で伸びしろが大きい」のが最大の魅力。
まずは「セラード or スルデミナス」×「ウォッシュド or ナチュラル」×「中煎り」で選ぶと、失敗しにくく楽しめます。


































