世界第3位のコーヒー豆生産量を誇るコロンビア。
日本でも見かけることの多い産地と言えます。
そこで今回は…
- コロンビアのコーヒー豆の特徴は?
- コロンビアのコーヒー豆の品種は?
- おすすめのコロンビア産コーヒー豆の選び方は?
といった疑問にお答えします。
INDEX
コロンビアのコーヒー豆の特徴について
コロンビアは、ブラジル、ベトナムに次ぐ世界第3位のコーヒー生産量を誇ります。
関連記事:ブラジルのリンク
実際、コロンビアでは就業人口の1/4にあたる200万人がコーヒー関連で生計を立てていると言われています。
生産量第1位のブラジルで近代的な大規模農園によってコーヒーが栽培されるのに対して、コロンビアでほとんどが小規模農園なのが特徴的です。
コロンビアのコーヒー事情
ブラジルは生産量は世界一で、消費量でも世界3位に入っていて街中にエスプレッソマシンのある本格的なカフェが多いです。
一方、コロンビアの場合、消費量ランキングでトップ10にも入っていません。
コーヒー豆の生産はほとんどが輸出用で、コロンビアにとっては貴重な収入源になっていることがわかります。
品質がそこまで高くない(スクリーンサイズが小さい)コーヒー豆がコロンビア国内で消費用として流通しています。
昔ながらのコロンビアの街並みには本格的なカフェはなく、パン屋さんや売店などで保温容器に入ったブラックコーヒー(cafe tinto)かミルクコーヒー(con leche)を使い捨てのコップに注いでもらうのがコロンビア風でした。
ただし、2014年になってやっとスターバックスもコロンビアに進出して、欧米のカフェ文化がコロンビアにも広まりつつあります。
コロンビア産コーヒー豆の味の特徴
苦味 ★
コク ★★
- トロピカルフルーツに例えられるフルーティーな酸味
- 花の香りに例えられる甘い芳醇な香り
- “コロンビアマイルド”とも呼ばれるマイルドな苦味と程よいコクのバランスの良さ。ブレンドのベースとしてもよく利用される
コロンビア産コーヒー豆の産地について
コロンビアの地形は、南に位置するエクアドルから伸びるアンデス山脈によって西部と南北に山地が続き、朝と夜の温度差が大きいためコーヒーの栽培にも適しています。
また、年間の降水量は2,000mm前後、栄養価の高い火山灰性の土壌などコーヒー栽培に求められる条件を満たしています。
赤道付近の温暖な気候を生かして収穫は年に2回行われますが、一般的には3月から6月に収穫が行われるメインクロップのほうがコーヒー豆の品質は高いと言われています。
機械を導入するのが難しい急斜面にコーヒー農園があることも多く、コロンビア産のコーヒー豆のほとんどは現地でカフェテロ(コーヒーを栽培する農民)によって手作業で栽培されています。
コロンビア産コーヒー豆の品種
コロンビアで生産されているコーヒー豆の品種はほぼすべてアラビカ種です。
ただし、香味が良く品質の高いティピカ種やバランスに優れた柔らかな味わいのブルボン種は収穫量が少ないです。
生産量の約70%を占めている品種はハイブリッドチモール種とカツーラ種の交配で作られた品種であるバリエダ・コロンビアです。
コロンビアの安定しないコーヒー豆の品質
近年コロンビアのコーヒー豆は味が落ちていると言われることが多いですが、その原因となったのがバリエダコロンビアです。
さび病の被害から産業を守るため、また収穫量を安定して増やすために、FNC(コロンビア生産者連合会)が推進して、現在ではコロンビアでの生産量の約70%がバリエダ・コロンビアです。
ただし、このバリエダ・コロンビアは風味に欠け、生産量は増えましたが「コロンビアの豆は安定しない…」なんて言われる原因になりました。
しかし、最近では新たにバリエダコロンビアとロブスタ種の配合種である「カスティージョ」という品種も生まれ、改良も進んでいます。
昔からの“コロンビアマイルド”がしっかり蘇る日を期待したいです。
コロンビア産コーヒー豆の選び方
コロンビアのコーヒー豆の等級の決まり方がわかると、実際にお店や通販でコーヒー豆を購入する時にも参考になります。
コロンビア産コーヒーの等級の決まり方
コロンビア産のコーヒー豆の等級は「スクリーンサイズ」によって決まります。
スクリーンサイズと等級名
コロンビアの等級の決まり方 | |
等級 | スクリーンサイズ |
Excelso Premium エクセルソ プレミアム |
18 |
Excelso Supremo エクセルソ スプレモ |
17 |
Excelso Extra エクセルソ エクストラ |
16 |
Excelso Europa エクセルソ ヨーロッパ |
15 |
Excelso UGQ エクセルソ UGQ |
15 50%以上 |
国内消費用 | 13以下 |
コロンビア産のコーヒー豆はスクリーンサイズが16以上、またピーベリーだけがスペシャリティコーヒーとして分類されます。
日本ではコロンビア産の高品質コーヒー豆と言えば「スプレモ(Supremo)」以上のイメージが強いです。
特に何も等級についての表記がないコロンビア産コーヒー豆の場合、エクセルソヨーロッパ、エクセルソUGQの場合が多いです。
スクリーンサイズ13以下は国内消費用になるため、日本では出回っていません。
エメラルドマウンテンとは?
日本でも缶コーヒーに使われて(そのせいで少し安っぽい印象をお持ちの方も多いですが…)抜群の知名度を誇るエメラルドマウンテンはコロンビア産のコーヒー豆です。
特定の品種のことではなく、FNCによって基準を満たした上位3%未満のコーヒー豆がエメラルドマウンテンと名乗ることを許されます。
柑橘系のしっかりとした酸味、上品な甘い香りと深いコクが特徴でバランスに優れ、日本でも非常に人気の高い高級豆です。
100g1,000円前後と手を出しづらく感じるかもしれませんが、コーヒー好きの方なら一度試してみてはいかがでしょうか?
(個人的にはスタバで2,3杯コーヒー飲むよりはるかに価値があると思います…)
コロンビアでおすすめの農園:オズワルド農園
コロンビアで珍しい大規模農園のオズワルド農園。
何よりも特徴となっているのはシェードツリーの下での有機栽培。
シェードツリーが生い茂るオズワルド農園の雰囲気はコーヒー農園というよりは森林というイメージ。
レインフォレスト・アライアンスといった環境保護に関する国際的な認証も受けるコロンビアで代表的な農園です。
香味に優れるティピカ種の栽培も行っていて、日本でも手に入れる機会があればぜひおすすめしたいです。
コロンビア産コーヒー豆の飲み方
スプレモやエメラルドマウンテンなど高品質なコロンビア産コーヒー豆を手に入れた時のおいしい飲み方をご紹介します。
- 焙煎
コロンビアらしいクリーンな酸味とマイルドなコクや苦味、上品な甘い香りを楽しむために深煎りは禁物。
焙煎の程度を選べるお店なら浅煎りをチョイスしましょう。 - 抽出
コロンビアらしいマイルドでクリーンな味わいを抽出するには、ハンドドリップで比較的抽出速度の早いハリオのV60ドリッパーがおすすめです。
お湯の温度は嫌な酸味が出ないように90℃がおすすめです。
コロンビアの特徴を知ってコーヒーをもっと楽しもう
コロンビア産のコーヒーの特徴や種類、等級(格付け)の分かれ方など、詳しくご紹介しました。
アンデスの肥沃な山地で栽培されるコロンビア産のコーヒー豆。
甘い香りと酸味・苦味のバランスに優れた味わいは、ストレートで飲むのにも、ミルクなどと合わせたコーヒーメニューで飲むのにも最適です。
今回の情報を参考にしながら、本物のコロンビアマイルドを味わってみてはいかがでしょうか?