美味しいモカ・コーヒーを抽出してくれるマキネッタ。
しかし、アルミ製のマキネッタを使い続けていると、黒ずみやカビのような白いしみが付着してくることがあります。
- 黒ずみや白いシミはなぜできるのか?
- 体に有害ではないのか?
そこで、今回はアルミ製のマキネッタの黒ずみやカビについて、その対処方法を解説します。
INDEX
アルミ製マキネッタの黒ずみやカビの正体とは
アルミ合金のマキネッタの黒ずみや、カビのような白いシミの原因はアルミの酸化。
抽出後、水気や湿気が器具に残ったままにしておいたときにおこりやすい酸化反応です。
また、白いカビのようなシミの正体も、水に含まれる成分にアルミが反応してできた水酸化アルミニウムです。
これらは人体に無害なのですが、見た目に衛生的とはいえません。
意外と厄介なのは、マキネッタを長期間使用しない時。
水にさらしていなくても、湿気で酸化反応して変色してしまうことがあります。
ただし、意外と家庭にあるものでも黒ずみや白いカビのようなシミは落とせるので気になる方は試してみましょう。
軽症ならレモンの輪切りを入れて沸騰させる
できてしまったアルミの黒ずみは、かんたんに洗った程度ではとれないことが多いです。
特に、水を入れておくボイラー部分の底は、黒ずみがもっともできやすい場所。
もともと、ボイラー部分は空焚き防止のために約3~5mmの深さで水が残るように設計されているためです。
黒ずみや白いシミはなるべく濃くなる前に対処しましょう。
アルミの腐食がまだひどくない場合は、輪切りにしたレモンをいれて黒ずみ部分をこすった後、水を入れて沸騰させてみてください。
酸化による変色は、軽症のうちは酸性の液で対処可能です。
レモンがない場合は、ポッカレモンなどのレモン果汁やリンゴの皮を代用しても構いません。
重症ならスチールウールで根気強く…
残念ながら、黒ずみが濃く年季のはいった頑固な変色があるマキネッタには、酸性の液で対処できません。
黒ずみやカビのような白シミをとにかくきれいに落としたい場合は、スチールたわしでこすって削り落とすことに。
汚れは簡単に取れないことが多いため、根気が必要です。
最終手段として、アルミ調理器用のクレンザーを使用することも検討してみてください。
時短につながりますし、使い古した感の強いモカ・ポットがキレイなるでしょう。
しかし、ここで注意点があります。
もともとマキネッタは水洗いが基本。
イタリアでは、コーヒーの香りと油膜がマキネッタのボディにしみこんで、家庭の味を作り出すとされています。
そのため、洗剤を使った洗浄は頻繁にしないほうがいいでしょう。
また、錆びをこすり落とした後は、アルミの表面に防御膜がなく無防備になっている状態です。
再び腐食しやすい状態になっているため、膜を作る対策が必要です。
例えば、お米のとぎ汁を入れて沸騰させるなど、アルミの表面を守る薄い膜を作ってみてください。
アルミ製マキネッタを錆びさせないメンテナンス方法
アルミ製のマキネッタを錆びさせない基本は、コーヒー抽出後に本体を分解して水でよく洗ってふき取り、よく乾燥させること。
特に、ボイラー部分は、水が残らないように気をつけてください。
マキネッタの内部が濡れた状態で放置していると、水に含まれるカルシウム分がアルミと反応して黒ずみや白いシミを作り出します。
また、繰り返しですが、汚れが重症でない限り洗剤で洗うことは控えましょう。
洗剤は、確かにマキネッタを衛生的にできますが、付着したコーヒーの油も洗い流してしまいます。
長期間使っていない状態で、久しぶりにマキネッタで抽出するときも対処法があります。
そのあとで、内部にこもった金属臭をコーヒーに出さないために、2~3回コーヒーを作って捨てる動作を繰り返した後、飲用用のコーヒーを抽出します。
飲まないコーヒーを3回も淹れるのは手間だという人は、1回でも抽出して匂いを飛ばしてみてください。
錆予防のメンテナンスでマキネッタを愛用し続けよう
いかがでしたか?
アルミ合金製のマキネッタの錆予防メンテナンスは、普段は水洗いで完全に乾燥が必須。
そして、頑固な錆びを落とすときだけ、最終手段としてクレンザーを使うという流れです。
洗剤頼りにできない分、手間がかかるという意見もありますが、それ以上に趣のあるレトロでかわいらしいデザインに愛着がわいてきます。
そもそも水分をしっかりふき取って乾燥させるだけなので、普段からこまめに管理していれば錆予防は十分です。
どうしても手がまわらない、衛生面が気になるという方は、アルミ製ではなくステンレス製のマキネッタの購入を検討してみてはいかがでしょうか?
ステンレス製は、腐食や汚れに強く管理も簡単です。
気になる味ですが、実際は、アルミ製とステンレス製のマキネッタでコーヒーの味の差はないという意見もあります。
感じ方は人それぞれですが、どちらにしても、良いものを長く使うには愛着をもって大事に管理していきましょう。