仕事の休憩時間やドライブの合間に飲みたくなるコーヒー。
日々口にする機会の多いコーヒーですが、ふとどんな成分が入っているのか?と疑問に感じたことのある方も多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、コーヒーに含まれる成分とそのメリット・デメリットについてご紹介します。
INDEX
コーヒーに含まれる栄養価や成分
まず、100mlのコーヒーの99%は「水」です。
そのため、残りのわずか1%の中に、コーヒーのもととなる成分が含まれています。
【コーヒーの成分表】
成分名 | 100ml中に含まれる量 |
水 | 99.6g |
炭水化物 | 0.7g |
タンパク質 | 0.2g |
灰分 | 0.2g |
カリウム | 65mg |
カルシウム | 2mg |
ナトリウム | 1mg |
ナイアシン | 0.8mg |
コーヒー特有の苦みや甘み・酸味といった複雑な味わいは、こうした色々な成分の組み合わせから生まれています。
では、コーヒーに含まれている代表的な成分とそのメリットデメリットについて見ていきましょう。
コーヒーに含まれる代表的な成分とメリット・デメリット
まずコーヒーに含まれる成分として知名度の高い成分である『カフェイン』。
そして最近注目されている成分に『ポリフェノール』があります。
どちらもよく耳にする成分名ですが、どんな成分で実際にどんなメリット・デメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
コーヒーの成分~カフェイン
カフェインは植物由来の有機化合物、アルカロイドの1種にあたります。
日本食品標準成分表によると、100mlあたりのブラックコーヒーには60mgのカフェインが含まれています。
コーヒーに含まれるカフェインは医療成分としても用いられています。
コーヒー豆から抽出したカフェインには、ごく微量の水分子が含まれていて、この水の分子を乾燥させて蒸発させると、無水カフェインという医療成分になります。
無水カフェインには中枢神経を刺激する働きがあり、頭の重みや倦怠感・眠気などをやわらげる効果があるため、風邪薬や頭痛薬によく配合されています。
ちなみにコーヒーに含まれるカフェインは19世紀になって初めて発見されました。
ドイツのフリードリープ・ルンゲという科学者が、1粒のコーヒー豆からカフェインの結晶を分離させることに成功。
その後カフェインの研究は進み、カフェインに代謝の促進やリラックス効果があることが分かってきました。
現在では、コーヒー由来のカフェインは健康を促す成分として広く認知されています。
カフェインのメリット
カフェインのメリットには以下のようなものがあります。
覚醒作用
「徹夜明けに熱いコーヒーを飲んだら、不思議と頭がすっきりした…」なんて経験はありませんか?
コーヒーに含まれるカフェインには『覚醒作用』があります。
カフェインに睡眠物質であるアデノシンを制御する働きがあり、血中にカフェインが取り込まれると、脳は覚醒した状態になります。
コーヒーを飲むと気分がスキッとするのは、眠気や疲れの原因を一時的にカフェインが抑えてくれているからです。
コーヒーなどでカフェインを取り入れると、約20分ほどでカフェインの効果が現れます。
脂肪燃焼促進
「痩せたいのに、なかなか思ったように体重が減らない…」なんて悩みにもカフェインが効果的。
カフェインには、交感神経を刺激する効果があります。
交感神経には血のめぐりを良くする・心拍数を上げるといった働きがあり、交感神経が正常に働くと満福中枢が刺激されてアドレナリンが分泌され始めます。
アドレナリンには脂肪を燃やす働きがあるため、結果的にカフェインを摂取することで体を脂肪が燃焼しやすい状態にすることができます。
脂肪の燃焼を促進するだけでなく、カフェインが満腹中枢を刺激することで食べ過ぎも予防できるため、コーヒーはダイエット中の方にとって非常に頼りになる飲み物です。
頭痛が和らぐ
カフェインは二日酔いなどがもたらす、不快な頭痛を和らげる作用があります。
頭痛の原因は複数ありますが、その1つが血管が広がることによって痛みを引き起こす拡張型の頭痛。
二日酔いの頭痛も血管の拡張が原因です。
そしてカフェインには拡張してしまった血管を収縮させる作用があるため、飲酒後のコーヒーや、深酒してしまった次の日のコーヒーには頭痛緩和の効果が期待できます。
カフェインのデメリット
続いて、カフェインの短所を見ていきましょう。
脱水症状になりやすい
カフェインには利尿作用があります。
体の中に水分が取り入れられると、余分な水分は腎臓によって濾過され尿として排出されます。
そしてカフェインには体内への水分吸収を抑える働きがあり、本来体にため込むべき水分まで体の外に流してしまいます。
そのためカフェインを摂取すると、普段よりも尿の生産量が増加して、排泄される尿量や頻度が増えます。
寝つきが悪くなる
カフェインには覚醒作用があり、脳や体を興奮状態に導いてしまうことがあります。
そのためコーヒーを飲んだ後「なかなか寝付けない…」といった経験のある方も多いと思います。
カフェインが体内で半分以下まで減る“半減期”は、およそ4~6時間といわれています。
そのためコーヒーで眠れなかった経験のある方は、就寝時間の6時間前からコーヒーを飲むのを控えておくとよいでしょう。
コーヒーの成分~ポリフェノール
コーヒーに含まれている成分として最近注目されているのが『ポリフェノールです。
ワインやチョコレートに含まれていることで知られるポリフェノールですが、実は5,000種類以上あります。
コーヒーに含まれているのは『クロロゲン酸』と呼ばれるポリフェノールです。
クロロゲン酸は植物の葉や種子にも多く含まれていて、コーヒー豆から初めて発見されたことから、別名コーヒーポリフェノールと呼ばれています。
1杯のコーヒーには約280mgのクロロゲン酸が含まれていて、実は赤ワインのポリフェノール含有量とほぼ同じです。
ポリフェノールのメリット
ポリフェノールのメリットには以下のようなものがあります。
アンチエイジング
私たちは普段何気なく呼吸して、酸素を取り入れています。
酸素をエネルギーに替えて、体の活力を生み出していますが、このときエネルギーのゴミが生まれることがあります。
このゴミは活性酸素と呼ばれる物質で、細胞の老化を早めてしまう働きがあります。
いわゆる体の“サビ”のような物質です。
そしてクロロゲン酸をはじめとしたポリフェノールには活性酸素を打ち消す抗酸化酵素が含まれているのです。
そこでポリフェノールをコーヒーやワインなどで摂取することで、抗酸化酵素を補給して細胞の老化を防ぐ効果が期待できます。
細胞の老化を防ぐアンチエイジングで新陳代謝が活発になると、ターンオーバーが正常化されて素肌も美しくなります。
生活習慣病予防
活性酸素は脳梗塞や心筋梗塞・糖尿病などの生活習慣病とも大きな関係があります。
私たちの血液の中には、善玉コレステロールと悪玉コレステロールの2つのコレステロールがあります。
そして疲れやストレスがたまると、悪玉コレステロールが増えて体のゴミである活性酸素と結びつくようになります。
悪玉コレステロールと活性酸素が結びつくとやがて泡沫細胞となり、血中に壁をつくって血液の流れを妨げるようになり、生活習慣病の原因となります。
ポリフェノールには善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす役割があるため、継続して摂取することで、生活習慣病を防ぐ効果が期待できます。
コーヒーに含まれるその他の成分
カフェインやポリフェノール以外にも、コーヒーには次のような成分が含まれています。
- 糖質
ご飯やパンなどの主食にも含まれる成分。
体のエネルギーを生み出す重要な成分で、口に入れると血液によって運ばれ、全身をくまなく駆け巡っていきます。
即効性のある栄養源です。 - 脂質
炭素と水素、そして酸素で作られている脂質。
寒さや暑さから体を守ったり、細胞の膜を作ったり、素肌に潤いを与えてくれたりなど私たちの体に無くてはならない成分となっています。 - タンパク質
体の中でアミノ酸に形を変えるタンパク質。
筋肉や歯・骨、ハリのある髪の毛を生み出す元となっていて、不足すると爪や髪にパサつきを感じることもあります。
アミノ酸にはやる気を生み出すホルモンといわれるセロトニンの伝達を助ける働きもあります。 - フミン酸
コーヒーの豆を煎るとき生まれる成分。
腐植酸とも呼ばれていて、微生物の働きによって作り出される自然の成分です。
コーヒーの深くまろやかな味わいと香りを作り出す作用があります 。
コーヒーの成分を活用するおすすめの飲み方
コーヒーに含まれる成分やそのメリット・デメリットについてご紹介しましたが、コーヒーのメリットを最大限に活かす飲み方もあります。
- 会議の20分前に飲む
コーヒーに含まれるカフェインは体内に摂取されるまでに約20分~30分ほどかかります。
そのため大切なプレゼンが控えていたり、クライアントとの重要な打ち合わせが待っていたりするときには、30分前に1杯のコーヒーを飲むようにしましょう。 - 小まめに飲む
すでにご紹介しましたが、カフェイン半減期は約4時間~6時間。
そのため朝一のコーヒー効果は1日中持続されるわけではありません。
おすすめは、朝・昼と数回に分けて飲む方法です。
カフェインの効果が薄くなるタイミングにコーヒーブレイクを挟むようにすることで、1日を通して頭がより冴えやすくなります。 - 浅煎りを選ぶ
コーヒーポリフェノールのクロロゲン酸は高温に弱いので、焙煎していく段階でその量が減っていきます。
ポリフェノールの効果を最大限に感じたいなら、深煎りより浅煎りを選ぶのがおすすめです。
エスプレッソよりはアメリカンのほうがクロロゲン酸摂取量は多くなります。 - 運動前に飲む
コーヒーに含まれるカフェインには脂肪燃焼作用があるため、ダイエット効果を最大限働かせるには運動前のコーヒーが効果的です。
また、実は一昔前までカフェインは覚醒成分としてアスリートの摂取が禁止されていました。
本格的な運動をしている方なら、カフェインを取り入れることで最大限のパフォーマンスが発揮できます。
コーヒーは味だけでなく成分も魅力的
コーヒーには体に嬉しい、色々な成分が含まれています。
特にカフェインとポリフェノールには、最近の研究でさまざまな健康効果があることがわかってきました。
- 覚醒作用
- 脂肪燃焼促進
- 頭痛緩和
ポリフェノール
- アンチエイジング
- 生活習慣病予防
今回の記事では、こういったコーヒー成分の持つ効果を最大限得るためのおすすめの飲み方もご紹介しました。
正しく飲むことで、コーヒーの味わいを楽しむだけでなく、日頃のコーヒーを飲む習慣でより一層健康になれます。