
「妊娠中や授乳中でカフェインを控えたい」
「夜も温かいコーヒーを飲んで、ほっとひと息つきたい」。
そんなとき、カフェインレスでも香りやコクを楽しめる一杯があったらうれしいですよね。
さらに「できれば有機栽培の豆を選びたい」「カフェインの取り除き方も知っておきたい」という方には、オーガニックのカフェインレスコーヒーがおすすめの選択肢です。
この記事では、オーガニックとデカフェの違い、工場でのカフェイン除去方法、目的別に選べる商品3つ、そしてデカフェ豆を家庭でおいしく淹れる具体的なコツまで紹介します。
オーガニックは「有機の生産・加工基準」、カフェインレスは「カフェインを減らしたこと」。両方を満たす製品を選べます。
- ドリップで手軽に始めたい:無印良品。深煎りのホンジュラス有機豆、97%カフェインカット、スイスウォーター法
- 忙しい日や仕事中にも飲みたい:マウントハーゲン。インスタントなのに準備が簡単で、毎日の一杯に取り入れやすい
- 味の違いを楽しみたい:ヒロコーヒー。デカフェでも豆の産地や風味の個性を選べる
迷ったら、淹れる手間と好きな味から選ぶのが近道です。なお、デカフェはカフェインが完全にゼロとは限りません。
オーガニックのカフェインレスコーヒーとは?「有機」と「デカフェ」の違い
有機JASは栽培・加工の基準、デカフェはカフェインの除去
「オーガニックコーヒーならカフェインも少ないの?」と思うかもしれませんが、有機認証の有無とカフェイン量は別の話です。
日本で「有機」「オーガニック」と表示する食品は、原則として有機JASの基準と認証が関係します。ただし、有機栽培は農薬や肥料などの使用がすべてゼロという意味ではありません。 認められる資材や管理方法には基準があります。
一方、カフェインレス(デカフェ)は、コーヒー豆に含まれるカフェインを製造工程で減らしたもの。国内のコーヒーの表示に関する公正競争規約では、カフェインを90%以上除去したものをカフェインレス等と表示できます。

参考:農林水産省|有機JAS/コーヒーの表示に関する公正競争規約
カフェインレス・デカフェ・ノンカフェインの違い
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 表記 | 意味 | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| カフェインレス/デカフェ | 豆に含まれるカフェインを減らしたコーヒー | 少量のカフェインが残ることがある |
| ノンカフェイン | カフェインを含まない飲み物などに用いる表現 | 麦・たんぽぽなどコーヒー豆以外が原料のこともある |
| オーガニック | 有機の生産・加工に関する基準 | カフェイン量の表示ではない |
海外商品の「99.9% caffeine free」も要注意です。「カフェインを99.9%除去した」という意味とは限りません。 実際、スターバックス ジャパンは2025年5月30日に、残留カフェイン含有率と除去率を取り違えた表示の訂正を発表しました。数字を比べるときは、除去率なのか、残留含有率なのかを確かめましょう。
カフェインレスコーヒーの作り方|工場ではどうやってカフェインを抜く?
カフェインレスコーヒーは一般に、焙煎する前の生豆からカフェインを取り除いて作ります。家庭で普通の豆にお湯を注ぐだけでは、風味を保ったままカフェインだけを選択的に除去することはできません。

① 水を使う製法|スイスウォーターなど
水やコーヒー成分を含む抽出液を利用し、カフェインを移動・分離する方法です。代表例のスイスウォータープロセスでは、コーヒー成分を含む水(Green Coffee Extract)や活性炭フィルターなどを使用します。有機溶媒を使わない処理を選びたい人にも検討しやすい製法です。ただし、「水抽出」と書かれた製品がすべて同じ工程というわけではありません。
② 二酸化炭素抽出法|CO₂を利用する
圧力や温度を調整した二酸化炭素を使ってカフェインを取り除く方法です。超臨界CO₂法などがあり、コーヒーらしい風味を残すために使われる技術の一つです。マウントハーゲンの輸入元資料にも、CO₂と水によるカフェイン除去が案内されています。
③ 溶媒を利用する製法|製法名だけで危険とは決めつけない
海外では酢酸エチルやジクロロメタンなどを使う方式もあります。生豆に直接接触させる方式と、抽出液を処理する方式では工程も異なります。
「熱湯を注げば溶媒は必ずすべて消える」「有機溶媒で処理したデカフェは日本で一律禁止」といった説明は正確ではありません。利用される工程、残留管理、国内法令への適合を区別して判断する必要があります。不安な場合は、メーカーが開示する具体的な製法を選択材料にしましょう。
3つの製法を比較

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 主な製法 | カフェインを取り除く仕組み | チェックポイント |
|---|---|---|
| 水処理 | 水・抽出液・フィルターなどで分離 | Swiss Waterなどの工程名 |
| CO₂処理 | 圧力をかけた二酸化炭素を利用 | メーカーの製法説明 |
| 溶媒処理 | 溶媒を利用して分離 | 処理方法・品質管理・表示 |
製法だけで味のおいしさが決まるわけではありません。 豆の品質、焙煎、鮮度、挽き方や抽出も大切です。
おいしいオーガニック・カフェインレスコーヒーの選び方

まずは有機認証とカフェイン除去方法を見る
有機JASマークや国内向けの商品表示を見たうえで、産地・除去率・製法を確認します。海外の「有機」「99.9%」という表現だけで、国内表示や実際の除去率まで推測しないのがポイントです。
コク派は深煎り、軽やかな味が好きなら中煎りも
「カフェインレスだと薄く感じる」という方は、香ばしさや苦味のある中深煎り〜深煎りから試してみてください。反対に、フルーティーな酸味や花のような香りを楽しみたいなら、中煎りのデカフェも魅力的です。
飲む場面で豆・粉・ドリップバッグ・インスタントを選ぶ
| タイプ | こんな人におすすめ |
|---|---|
| 豆 | 挽きたての香りを楽しみたい |
| 粉 | ハンドドリップを楽しみたいがミルは使わない |
| ドリップバッグ | 1杯ずつ気軽に飲みたい |
| インスタント | 朝・オフィス・夜に短時間で飲みたい |
オーガニックのカフェインレスコーヒーおすすめ3選|目的別に比較

ここでは実際に飲み比べた順位ではなく、メーカーが公開する商品情報と飲み方の相性から、選びやすい3ブランドを紹介します。旧記事で扱っていた販売条件を確認しにくい限定商品や古い楽天リンクは引き継いでいません。
| 商品 | 向いている人 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 無印良品 | ドリップで始めたい | 豆・粉・ドリップを選択可。深煎り、97%カット、水処理 |
| マウントハーゲン | とにかく手軽に飲みたい | インスタント。コーヒーの準備・片付けを簡略化できる |
| ヒロコーヒー | 香りや産地の個性にこだわりたい | 複数のオーガニックデカフェを展開 |
① 無印良品|初めての1杯にも選びやすい深煎りデカフェ
「カフェインレスを試したいけれど、どれから買えばいい?」という方にまず紹介したいのが、無印良品のオーガニックコーヒー カフェインレスです。
ホンジュラスの有機認証豆を深煎りにし、メーカーはほどよい苦味と爽やかな酸味を特徴として案内しています。カフェイン97%カットで、公式FAQによるとカフェインの除去にはスイスウォーター法を採用。豆・粉・ドリップタイプがあるので、普段のコーヒースタイルに合わせやすいのも魅力です。
ドリッパーを持っていない方は個包装のドリップから。気に入ったら粉や豆に切り替えると、いつものコーヒー時間にも自然に取り入れられます。
\ まずはドリップ1杯から。普段使うショップで在庫・価格を比較 /
② マウントハーゲン|忙しい毎日にも取り入れたい有機カフェインレス・インスタント
「飲みたいと思ったときに、すぐ1杯作りたい」。そんな人にぴったりなのが、マウントハーゲンのオーガニック・フェアトレード カフェインレス インスタントコーヒーです。
インスタントなら、お湯を注ぐだけ。ミルもドリッパーもいらず、夜の読書時間、仕事の合間、家事がひと段落した時間にもコーヒーを用意できます。輸入元の資料では、CO₂と水によるカフェイン除去を案内しています。フリーズドライタイプを選べることも、コーヒーの香りを楽しみたい人にはうれしいポイントです。
「インスタントは味が物足りない」と敬遠している方にも、一度候補に入れてほしい商品です。味の感じ方には個人差がありますが、手間をかけずに有機カフェインレスコーヒーを常備できる便利さは、毎日飲む人ほど実感しやすいでしょう。
カフェオレ派にも使いやすい一杯です。 ブラックで楽しむだけでなく、商品に記載された1杯分の使用量を目安にコーヒーを少量のお湯で溶かし、温めた牛乳や豆乳を注げば、手軽にカフェオレが作れます。濃いめが好きならコーヒーの量を少し増やして調整すると、好みのバランスを見つけやすくなります。
まずは飲み切りやすい容量から。気に入ったら瓶・詰め替え・スティックなど、自分の使い方に合わせて選びましょう。
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参考:国内輸入元の商品カタログ
③ ヒロコーヒー|デカフェでも産地ごとの香りを楽しみたい人に
「カフェインレスだから味は仕方ない」と思っていませんか? 豆の香りや酸味の個性まで楽しみたいなら、ヒロコーヒーのオーガニックデカフェをチェックしてみてください。
ヒロコーヒーは、有機認証豆を使い、メキシコマウンテンウォーター製法でカフェインを減らした商品を展開しています。ブランドの案内ではカフェイン99%カットを掲げています。
例えば、コロンビアはシトラス系の酸と甘さ、モカは爽やかな酸味と甘い余韻、ブレンドは花のような香りと柔らかな酸味が特徴とされています。毎日同じ味ではなく、その日の気分で選ぶ楽しさがあるのは、専門店ならではです。
まずは少量の豆・粉やドリップタイプなど、実際に販売されている組み合わせをチェック。浅め〜中煎りの軽やかな味が好きな方にも向いています。
\ 産地や香りの違いを楽しみたい方へ。デカフェのラインナップを確認 /
デカフェ豆を家庭でおいしく淹れるコツ|通常の豆との違いも解説
ここからは、カフェイン除去済みの豆を家庭でおいしく抽出する方法です。
工場で生豆からカフェインを抜く製造工程とは別なので、混同しないようにしましょう。
基本レシピ|粉15g・お湯225g・90〜93℃
ハンドドリップなら、まずは以下をスタート地点にしてみてください。豆によって適温や挽き方は異なります。
- 粉15gをセット:中挽きを基準に。ドリッパーとサーバーを予熱しておきます。
- 30g前後注いで約30秒蒸らす:粉全体が湿るように静かに注ぎます。膨らみが少なくても慌てなくて大丈夫です。
- 合計225gまで数回に分けて注ぐ:スケールが示すのは累計の注湯量。30g注いだ後に225gを追加するのではありません。
- 味を確認して微調整:薄ければ粉量を少し増やすか挽き目を細かく。苦味や渋みが強ければ湯温や挽き目を調整します。
※225gは注いだお湯の合計で、抽出液の出来上がり重量とは異なります。
デカフェ豆は色が濃く見えても「深煎り」とは限らない
デカフェ処理を経た生豆は、通常の生豆とは色や内部構造が変化する場合があります。焙煎時に色づきが早く、実際の焙煎度より濃く見えることも。豆の見た目だけで「かなり苦いはず」と決めつけず、商品が案内する焙煎度と実際の味を基準に調整しましょう。
蒸らしで膨らまなくても失敗ではない
ドリップで粉がふわっと膨らむと気持ちのよいものですが、膨らみ具合だけでおいしさは判断できません。 焙煎からの日数、粉の挽き方、豆の状態などでも変化します。デカフェ豆では膨らみ方が控えめに感じられることもあるので、無理に蒸らし時間を長くするより、まずは出来上がった味を確認しましょう。
お湯の落ち方が違ったら、挽き目を少しずつ調整
デカフェ処理による豆の性質の違いや、焙煎・挽き方によって、湯抜けのスピードが普段の豆と変わる場合もあります。極端に時間がかかる場合は少し粗挽きに、早く落ちすぎて薄い場合は少し細かくするなど、毎回ひとつの条件だけを変えると好みの味を探しやすくなります。
参考:Sweet Maria's|デカフェ豆の焙煎特性(英語)
保存は密閉・高温多湿を避け、まずは少量から
デカフェも通常の豆と同じく、挽いた後は香りが変化します。飲む頻度に合う容量を買い、開封後は密閉して保管しましょう。毎日飲む方には瓶入りのインスタントや粉、週に数回なら個包装のドリップも便利です。
妊娠中・授乳中や夜に飲むなら知っておきたいこと
カフェインレスは、カフェインの摂取量を抑えたいときに便利な選択肢です。
ただし、完全にカフェインゼロとは限らず、残る量は商品や飲み方で異なります。
妊娠中・授乳中や医療上の理由で摂取制限が必要な方は、商品表示と飲む量を確認し、必要に応じて医療者に相談してください。
また、オーガニックだから妊娠中に無制限に飲めるという意味でもありません。
「夜に飲んでも絶対に眠りへ影響しない」とも言い切れないため、カフェインへの敏感さに合わせて選びましょう。
よくある質問|オーガニック・カフェインレスの疑問
Q. オーガニックコーヒーはカフェインが少ないですか?
いいえ。オーガニックは生産・加工の基準なので、カフェイン量とは直接関係しません。カフェインを控えたいなら「カフェインレス」「デカフェ」表記も確認しましょう。
Q. カフェインレスとデカフェの違いは?
コーヒーの商品表示では、どちらもカフェインを減らしたコーヒーを指す表現として使われます。どちらも完全なゼロを意味するとは限りません。
Q. カフェインレスは自宅で普通の豆から作れますか?
家庭で通常の豆からカフェインだけを取り除くのは困難です。カフェイン除去処理を受けた市販の豆や粉を購入し、通常のコーヒーと同様に抽出するのが現実的です。
Q. 有機JASがあれば必ずおいしいですか?
いいえ。味は産地・焙煎・鮮度・抽出などにも左右されます。認証は有機に関する基準であり、味の優劣を保証するものではありません。
Q. スイスウォーターとマウンテンウォーターは同じですか?
どちらも水を利用する脱カフェインの方法ですが、固有の工程や運営主体が異なる別のプロセスです。商品名だけで同じ工程と考えず、メーカーの説明を確認しましょう。
Q. 最初に試すなら豆・粉・インスタントのどれ?
手間をかけたくないならインスタント、1杯ずつ試すならドリップバッグ、香りと抽出を楽しむなら豆・粉がおすすめです。迷ったら飲み切れる少量の商品から始めると選びやすくなります。
まとめ|カフェインレスでも、香りとコクを楽しむ一杯を
オーガニックとカフェインレスは別の条件。でも、その両方を満たすおいしいコーヒーは選べます。
手軽さならマウントハーゲン、ドリップで試すなら無印良品、産地の香りまで楽しむならヒロコーヒー。まずは普段の生活で無理なく楽しめるタイプを選んでみてください。
そして、デカフェ豆を淹れるときは色の濃さや蒸らしの膨らみだけにとらわれず、飲んだときのおいしさで調整することがコツです。
オーガニックコーヒーの基本を詳しく知りたい方はこちら。
カフェインレスコーヒーの基礎知識はこちら。
※商品情報・製法は2026年10月時点で確認できるメーカー等の資料をもとにしています。商品名、容量、認証、価格、販売元、掲載モールの在庫は購入時にご確認ください。本文の味の特徴はメーカー公表情報に基づき、独自の実飲評価ではありません。












