ベトナムコーヒーの特徴

インドシナ半島東側の国、ベトナム

フランス領時代の面影が残るホーチミンは、「プチ・パリ」と称され、立ち並ぶカフェと独特なベトナムコーヒーは、人々の日常に浸透しています。

今回は、ベトナムコーヒーの魅力について、独特のコーヒー文化や飲み方についてご紹介します。

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ベトナムのコーヒー豆の特徴

ベトナムの位置

  • ベトナムのコーヒー年間生産量:1,616,307トン
  • 世界シェア: 16%
  • 生産国量ランキング:2位
    ※2018年度調査(FAO国連食糧農業機関による統計より)

ベトナムのコーヒー豆生産量は、なんとブラジルに次ぐ世界第2位

それでも日本でコーヒー産地としてベトナムの知名度が低いのは、“安価なロブスタ種の生産が全体の9割以上を占める”というのが大きな理由です。

ベトナムで生産されるコーヒー豆は、主にブレンド用や缶コーヒー、インスタントコーヒーに使われています。

コーヒー豆産地としてのベトナム

熱帯性気候のベトナムのコーヒー豆の栽培は、中部の高原や南部に集中しています。

ベトナムロブスタ種は、カビ病に強く生産量が多いだけでなく、ベトナムの高温多湿な低地栽培にも適しています

一方で、気温や降水量に影響されやすく、カビ病にも弱いため栽培が難しいアラビカ種は、換金性は高いもののベトナムの栽培環境には適していません。

ベトナムのコーヒー豆の歴史

ベトナムのコーヒー豆の歴史は、ヨーロッパのコーヒー文化と深く関わりがあります。

コーヒーが初めてベトナムに持ち込まれたのは1850年代のことでした。
最初に導入された地域はベトナム北部で、アラビカ種が持ち込まれました。
しかし、アラビカ種の栽培は北部の栽培環境に適応も収穫量の確保もできずに断念されます。

その後、ベトナムにコーヒー栽培が広く普及したのは、フランス領になった1887年以降のことです。
ロブスタ種が導入されて成功し、大量生産されるようになりました。

しかし、ロブスタ種は風味でアラビカ種に劣り、ストレートでの飲用には適しません。

そのため、現地にいるカフェ好きのフランス人は、飲みやすくするために牛乳入りのカフェオレを求めましたが、当時のベトナムには乳製品も不足していたためそれも難しかったようです。

そこで飲みやすく、なおかつカフェオレに近い飲み物を作るために生み出されたのが「練乳入りコーヒー」です。

これが現在の「ベトナムコーヒー」の基本になりました。

ベトナム式コーヒーは、地元民の間でも定着し、独自のコーヒー文化へと発展していきます。

こうしてベトナムは、世界のロブスタ種の約4割を生産するコーヒー大国に成長しました。

ベトナムのコーヒー豆栽培

ベトナムのロブスタ種コーヒー豆の栽培は、その8割がベトナム中部の標高500mほどのダグラク省やラムドン省、ジャライ省の高原地域に集中しています。

また、アラビカ種の一部もラムドン省で栽培されています。

コーヒー生産で生計を立てているベトナム人は約260万人と言われており、コーヒー農園のほとんどは1~50ヘクタール未満の中小農園中心

しかし、500ヘクタールを超すような大規模農園で大量生産を行うVinacafeのような国営企業もあります。

コーヒーの一般的な収穫時期は、10月から翌4月。
ロブスタ種コーヒーの生豆精製方法は、主にナチュラル(乾燥式)で行われ、収穫後のコーヒーチェリーを天日干し、または機械乾燥させています。

スタッフ
精製とは、コーヒーチェリーから生豆(コーヒー豆)を取り出す作業のことです。
ナチュラルでは、収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させて後、脱穀して生豆を取り出します。
風味にクリーンさを出すのが難しいのがデメリットですが、コーヒー独特の甘みを出しやすいというメリットがあります。
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ベトナムのコーヒー豆の味の特徴

ベトナムのコーヒー豆の味は、独特な特徴を持っています。

香りや酸味、苦みのバランスが楽しめるアラビカ種に比べて、ロブスタ種は、苦みが強く風味も劣り、「酸味もなく泥臭い、焦げた麦のようなコーヒー」と言われることも…。

そこで、飲み方の試行錯誤から生まれたのが、「カフェ・スア・ダー」というコンデンスミルクや砂糖たっぷりのアイスコーヒーです。

「コーヒーは甘いもの」というベトナムの常識を作り出した、コーヒー飴をドリンクにしたような、最もポピュラーなベトナムコーヒーです。

また、ベトナムロブスタ種は、レギュラーコーヒーやエスプレッソコーヒーの味や風味のアクセントとして、ブレンド用にも広く使われています。

普段気づかないだけで、さまざまなカフェシーンで飲まれているコーヒーと言っても過言ではありません。

おすすめの飲み方

ベトナムコーヒーを最もおいしくいれる方法は、深煎りの粗挽きにした豆を「フィン」と言われるベトナムの抽出道具でいれる方法です。

おいしく淹れるコツは、練乳や牛乳を多めに入れること。

また、「フィン」がなくても、カリタなどの手持ちのハンドドリップでいれてみてください。
普段通り抽出したら、さらにお湯を加えてお湯割りにしたり、牛乳や砂糖を入れたりしてカフェオレにすることで、まろやかな味に変身します。

また、極細挽きにした豆をエスプレッソマシンでいれると、苦みのパンチの利いたエスプレッソコーヒーが完成。
アイスクリームとの相性抜群です。

現地人が愛するベトナムコーヒーとは

ベトナム人はコーヒーが大好き。

そのため、町中に立ち並ぶカフェは、地元民の憩いの場で、濃厚で甘いデザートのようなさまざまなコーヒーメニューが楽しめます。

コンデンスミルクと卵黄を泡立てたエッグコーヒーや、ヨーグルトやココナッツミルク、アボカド入りのコーヒーなど、独創的な組み合わせの人気メニューが並びます。

ベトナムのコーヒー豆の等級について

ベトナムのコーヒー豆の等級は、豆の大きさ(スクリーンサイズ)欠点豆の割合で決められており、G1が最高グレードです。

等級 条件
G1 ・スクリーンサイズ14~16
・欠点豆が5%以下
G2 ・スクリーンサイズ12~14
・欠点豆が10%以下
G3 ・スクリーンサイズ10~12
・欠点が20%以下

これぞベトナムコーヒーの味「G7」


ベトナムのコーヒー産業の発展とともに、チェーン展開のカフェが増えましたが、その先駆け的存在なのが「チュングエン」(Trung Nguyen)です。

この有名なコーヒーチェーンは、今ではベトナムコーヒーの代名詞的なブランドです。

同社のインスタントコーヒー「G7」シリーズをお土産に買う人が急増し、海外でも買えるほど有名になりました。
インスタントでも、濃厚なベトナムコーヒーが手軽に楽しめることが人気の秘訣です。

ベトナムコーヒーにチャレンジ「ベトナムコーヒーフィルター」


本格的にベトナムコーヒーを楽しむなら、専用のフィルター「フィン」は必需品です。

複雑な抽出技術は必要なく、誰でも簡単に本場のコーヒーをいれられます。

豆の油分を余すところなく抽出し、さまざまなベトナム式のデザートコーヒーにアレンジしてみましょう。

「フィン」の使い方

ベトナムコーヒー

ベトナム式コーヒーフィルターは、1杯分のコーヒーが抽出できる簡単な抽出方法です。

まず、グラスやカップに練乳や甘味料を入れ、次にフィルターにコーヒー粉を投入、中蓋を締めたらカップの上に載せます。

そして、少量のお湯で約20秒蒸らした後、約120ccのお湯を注いで、上ふたをするだけ。

あとは、コーヒーがカップに全部落ちたら、コーヒーをよく混ぜてできあがりです。

他の国とはちょっと違うコーヒー文化のベトナムコーヒーを味わおう

ベトナムは、コーヒー大国として発展しながら、活気に満ちた独自のコーヒー文化を確立してきました。

西洋発の上品なカフェ文化としてではなく、暑さにばてた時や疲れた時の庶民の楽しみとして定着したベトナムコーヒーは、一度飲むとまたなぜか飲みたくなる魅力があります。

ベトナムのコーヒー産業は、まだまだ潜在性の高い市場。

世界的なコーヒーの需要が高まる中、ベトナムではストレートで飲めるロブスタ種の改良やアラビカ種の栽培も推進しています。

これからも目が離せないベトナムのコーヒーの発展に注目しましょう。

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