コーヒーを購入したり、ギフトを受け取ったりする時に見かける「レギュラーコーヒー」という表記。インスタントコーヒーとの違いはあるのでしょうか?
今回の記事では、よく見かけてもあまりはっきり意味のわからないコーヒー用語の意味をわかりやすく解説します。
INDEX
レギュラーコーヒーとは
レギュラーコーヒーとはインスタントコーヒーの対比用語です。
“レギュラーコーヒー”という言葉は、19世紀末にインスタントコーヒーが普及するにつれて生まれた対比用語です。インスタントコーヒーとは、コーヒー豆の抽出液から水分を抜き取って粉末状にされたコーヒーのことを指します。
レギュラーコーヒーは“正常な(Regular)”コーヒーを指す和製英語で、焙煎されたコーヒー豆やその粉100%のことを指しています。添加物などは含まれていません。レギュラーコーヒーという表現は、水に溶けるインスタントコーヒーと区別するために使われるようになりました。
レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーの違いは、前者が抽出後に水に溶け切らないカスが残るのに対して、後者はお湯に溶け切ることです。
レギュラーコーヒーを入れるには、ペーパードリッパーなどの抽出器具が必要になりますが、インスタントコーヒーならカップにお湯を注ぐだけです。
レギュラーコーヒーは和製英語のため、海外で使っても通じません。レギュラーコーヒーのことを英語圏では“ロースト・コーヒー・ビーンズ”などと呼びます。
レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーの違い
では、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーにはどんな違いがあるのでしょうか?
1.味の違い
一番大きなのは味の違いでしょう。
インスタントコーヒーも技術開発で、コーヒー豆の良さを活かしたおいしいものが作られていますが、コーヒーの抽出液を作って、そこから乾燥させる工程でどうしてもコーヒー本来の香りが飛んでしまったり、味がぼやけてしまいます。
コーヒー豆の粉から直接抽出するレギュラーコーヒーに慣れてしまうと、インスタントコーヒーだと物足りないと感じる方が多いです。
2.カフェイン量の違い
カフェインはもともとコーヒーの実に含まれている植物性の成分です。そのため普通にコーヒーを入れると、コーヒー液の中にもカフェインが含まれています。
ただし、インスタントコーヒーの場合は、製造の過程でカフェインがかなり揮発してしまうため、レギュラーコーヒーと比べるとカフェイン量は約半分ほどになります。
- レギュラーコーヒー1杯あたりのカフェイン量…130mg
- インスタントコーヒー1杯あたりのカフェイン量…70mg
「眠気覚ましにコーヒーを飲む!」という方の場合、インスタントコーヒーよりもレギュラーコーヒーの方がカフェイン量が多いため、効果は高くなります。
さらにレギュラーコーヒーの分類を見てみましょう。
ブレンドコーヒーはレギュラーコーヒーの種類の一つ
レギュラーコーヒーと同じく、コーヒー用語としてよく聞く言葉に“ブレンドコーヒー”があります。
ブレンドコーヒーとは、レギュラーコーヒーの一つで、単純に産地や焙煎度の異なる複数の豆を混ぜ合わせたレギュラーコーヒーのことを指します。
“混ぜ合わせた”と聞くと、「あまり美味しくないのかな?品質が高くないのかな?」と感じる方もいますが、ブレンドコーヒーの良さはいろいろな国の豆を組み合わせながら、それぞれのコーヒーショップの目指す理想のコーヒーの味を作り上げられるところにあります。
そのため、人気の高いコーヒーショップのブレンドコーヒーは、非常にバランスに優れた飲み続けやすいコーヒーが多い特徴があります。
ちなみにブレンドコーヒーには、よくキリマンジャロブレンドやモカブレンド、ケニアブレンドといった産地名が付いた商品があります。ブレンド名に地名を付けたい場合は、その産地のコーヒーが生豆換算で30%以上入っていないといけないというルールがあります。
ブレンドコーヒーの対比用語はストレートコーヒー
ブレンドコーヒーの対比用語になるのがストレートコーヒーです。
ブレンドコーヒーは異なる豆を混ぜ合わせて作られますが、ストレートコーヒーはブラジルならブラジル、モカならモカなど、単一種のコーヒー豆を使用しているコーヒーのことを指します。
それぞれの単一種の風味の違いを感じることができるため、コーヒー好きの方からの人気が高いです。
さらに、ストレートコーヒーの中にはシングルオリジンと呼ばれるコーヒー豆もあります。
シングルオリジンとは、単一種なだけでなく、地域や農園単位で販売されるコーヒー豆のことを指します。
単一農園の豆ということで、栽培方法や生産方法、生産者まで明確なため、上質で安心できるコーヒーな場合が多いです。
コーヒー産地の各国では、コーヒー豆の品質を競う品評会が開かれており、上位農園のコーヒー豆は非常に高値で取引される事もあります。
いろいろなコーヒー用語が出てきて、すこしややこしいので表でまとめてみましょう。
コーヒーの商品説明にはいろいろなコーヒー用語が使われているので、それぞれがどんな意味なのか理解しておくと、自分が飲みたいと思っているコーヒーを見つけやすくなります。
まとめ
よく見かけてもあまりはっきりと意味がわからないコーヒー用語は意外と少なくありません。
その代表格でもある“レギュラーコーヒー”とは、インスタントコーヒーの対比用語で、焙煎されたコーヒー豆や粉のことを指します。インスタントコーヒーはレギュラーコーヒーからコーヒー液を抽出した後に乾燥させて粉末状にしたものです。
これからもコーヒー用語を正しく理解して、コーヒーライフを楽しみましょう。