世界的にも品質の高いコーヒーの産地として評価されているグアテマラ。
おいしいグアテマラのコーヒー豆を楽しめるように、その特徴や産地、おすすめの農園など選び方をご紹介します。
ぜひ中米を代表するコーヒー豆をお楽しみ下さい
INDEX
グアテマラコーヒー豆の特徴
メキシコの南に位置する中米の国・グアテマラ。
コーヒー生産量自体は世界第9位と突出して多いわけではありませんが、品質の高いコーヒー豆の産地として知られています。
特に2000年ころから始まったスペシャリティコーヒーのブームを牽引していたため、今40代~50代の方には“スペシャリティコーヒー”と聞くとグアテマラのコーヒーを思い浮かべる方も多いかもしれません。
コーヒー豆産地としてのグアテマラ
グアテマラはコーヒー豆の産地として非常にバラエティに富んでいます。
太平洋や大西洋、メキシコ平原、湖周辺など地理的な多様性のため、生産されるコーヒー豆も栽培される土地によって特徴が少しずつ異なります。
グアテマラの北部は比較的低地が続きますが、南部は火山も有する山岳地帯が広がり、標高や肥沃な土壌などコーヒー栽培に特に適しています。
特に高山地帯は夜になると昼間の暑さが信じられないほど冷えこむため“熱帯の夜”とも言われ、大きな寒暖差が豆を引き締めます。
おすすめの産地:アンティグア
南部で最も代表的なコーヒーの産地がアンティグアです。
グアテマラではじめてコーヒーが栽培された地でもあり、現在では国内生産量のわずか4%ほどで品質と希少性からアンティグアのコーヒー豆は高級豆の代名詞となっています。
あまりの人気から偽物まで出回るようになったため、アンティグアの農園主たちが集まりAPCA(アンティグア生産者組合)を結成。
原産地呼称をはじめ、本物のアンティグアコーヒー豆の麻袋には「GENUINE ANTIGUA」というマークが入ります。
アンティグアの口に広がる甘みと上品な酸味は、他のグアテマラ産コーヒーと飲み比べてみてもはっきりわかるほどです。
グアテマラのコーヒーの歴史
グアテマラに初めてコーヒー豆が入ったのは1750年代のことと言われています。
イエズス会の牧師によって持ち込まれました。
その後グアテマラはスペインの植民地支配から1821年に独立し、グアテマラに移住したドイツ移民によって本格的なコーヒー栽培が始まります。
グアテマラのコーヒーの栽培
グアテマラで栽培されているコーヒー豆のほとんどはアラビカ種です。
コーヒー豆の種類はブルボン種が一番多く、ティピカ種を栽培している農家もあります。
グアテマラのコーヒーの栽培は、企業による大規模農園から数ヘクタールの農地を家族経営している小規模農園まで様々。
ただし、規模に関わらず栽培から精製までのプロセスは良く管理されていることが多く、グアテマラのコーヒー豆は比較的安定しています。
コロンビアなどと比べるとハズレの確率は低いと思います。
精製はほとんどがウォッシュドで、コンクリートやタイルの上で天日干しするスタイルが一般的です。
品質の向上に貢献する“ANACAFE”
まず、日本の航空会社とは関係ありません。
ANACAFEは1969年にグアテマラコーヒーの品質向上と農園支援のために設立された“Asociacion Nacional del Cafe”の略称です。
日本ではグアテマラ全国コーヒー協会と呼ばれます。
実際にグアテマラの生産者によって所有・運営されてる団体で、コーヒー生産に関する研究を通してグアテマラコーヒーの品質の安定・向上に貢献しています。
ANACAFEの活動は多角的で、国際的なグアテマラコーヒーの認知度や評価の向上のためにも働いており、ANACAFEの職員が日本にグアテマラコーヒー豆のPRに来ることもあります。
缶コーヒー「レインボーマウンテン」はANACAFE認証
実は、人気の高いベストセラー缶コーヒー“レインボーマウンテン”に使用されているコーヒー豆はグアテマラ産なんです。
レインボーマウンテン豆は、Anacafeが推奨するエリアから7つの産地を厳選し、認証を与えられた高級豆です。
コーヒー豆を選出する段階でANACAFEのスタッフや生産者とも協議を重ね、認証された高級豆だけを使用しています。
こんな豆知識があると缶コーヒーを飲む時にもちょっといつもより楽しめるのではないでしょうか。
グアテマラ産コーヒーの味の特徴
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先程ご紹介したように、グアテマラは産地としての多様性に富んでいるため、同じ品種のコーヒー豆でも産地や農園によって風味が変化してきます。
ただし、一般的に高地で生産されたグアテマラのコーヒーは、すっきりとした明るめの酸とマイルドな苦味のバランスに優れ、力強いコクもある飲みごたえのある風味が特徴です。
日本では酸味のあるコーヒーが苦手な方が多いですが、酸化してしまった酸っぱい酸味とコーヒーの上品な酸味は全く異なるものなので、機会があればぜひスッキリと飲める本当においしいグアテマラのコーヒーを試してみて下さい。
おすすめの飲み方
- 焙煎
浅煎りだとグアテマラならではの上質な酸味が楽しめ、深煎りにするとチョコレートのようなコクと甘みが楽しめます。 - 飲み方
ぜひストレートでお楽しみ下さい。
グアテマラは産地によって香味が変わるため、シングルオリジンをいくつか少量ずつ購入して飲み比べてみても面白いです。
グアテマラのコーヒー豆の等級について
グアテマラのコーヒー豆の等級は、産地の高度によって7等級に分けられています。
コーヒー産地は標高が高いほど昼夜の寒暖差が大きくなり、実がしまった良質なコーヒー豆が収穫できると言われています。
グアテマラの等級の決まり方 | |
等級 | 標高 |
SHB (ストリクトリー・ハードビーン) | 1,350m以上 |
HB (ハードビーン) | 1,200m~1,350m |
SH (セミ・ハードビーン) | 1,050m~1250m |
EPW (エクストラ・プライムウォッシュド) | 900m~1,050m |
PW (プライムウォッシュド) | 750m~900m |
EGW (エクストラ・グッドウォッシュド) | 600m~750m |
GW (グッドウォッシュド) | 600m以下 |
日本でグアテマラのコーヒー豆が販売される時には「グアテマラ+○○(地域・農園名)+SHB」といった表記で販売されることが多いです。
おすすめ農園「アンティグア アゾテア農園」
グアテマラと言えばアンティグアですが、そのアンティグアの地で1883年から続く伝統ある農園がアゾテア農園です。
新しい技術や研究開発にも積極的に取り組んでいます。
シェードツリーの多様化や有機系の殺虫剤の開発など、環境を守りながら品質の高いコーヒー豆を生産することに力を入れています。
アゾテア農園のコーヒー豆はフルーティーな酸味がいかにもグアテマラらしいコーヒー豆で、焙煎度に合わせたそれぞれの表情が楽しめます。
グアテマラ産のコーヒーを楽しもう
中米を代表するコーヒー豆の産地であるグアテマラ。
特にアンティグア地方のコーヒー豆は品質も高いことで知られ、世界中で高級豆としての地位を確立しています。
多様な栽培環境で産地によっても個性の異なるコーヒー豆が作れるため、シングルオリジンでちょっと贅沢に飲みながら、自分の好みにあったグアテマラ産のコーヒー豆を見つけましょう。