コーヒーをあまり飲まない方でも日本人なら一度は聞いたことのある「ブルーマウンテン」


“コーヒーの王様”
とも呼ばれるブランド化されたコーヒー豆ですが、実は意外とコーヒー通からの評価が低い こともあります。評価が分かれる理由や、本当においしいブルーマウンテンの特徴や選び方など、わかりやすくご紹介していきます。

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ブルーマウンテンとは


日本人なら誰でも一度は聞いたことのある「ブルーマウンテン」は、ジャマイカの特定のエリアで栽培されているコーヒー豆のことです。1953年にはジャマイカ政府がブルーマウンテンに関する法整備も行い、ブルーマウンテン山脈の限られたエリアで作られたコーヒーだけが「ブルーマウンテン」と呼ばれます。

島国であるジャマイカの国土の80%は山地であり、コーヒー栽培に適した環境条件が揃っています。特にブルーマウンテンが栽培されているブルーマウンテン山脈の標高800m~1,500mのエリアは、昼夜の気温差が激しく、身の引き締まった大粒のコーヒー豆が収穫できます。年間降水量も1,500mm~1,800mmと、コーヒーの栽培に適しています。傾斜が急なため、今でも人の手による丁寧な栽培・収穫が行われています。

ブルーマウンテンNo.1が最高ランク



ブルーマウンテンはNo.1~No.4までの等級で分けられていています。最高ランクは「ブルーマウンテンNo.1」で以下の条件を満たしている必要があります。

・豆の大きさがスクリーン17~19
・欠点豆の混入率3%未満
・水分の含有量10~12.5%
・国家資格を持つ検査官による味覚鑑定に合格

ブランド価値を向上させるため、政府主導で高い品質のコーヒー豆のみが輸出されています。主にストレートで販売されている豆はブルーマウンテンNo.1の場合が多いです。ブレンドなどにはよくNo.2~No.3のブルーマウンテンが使用されます。

ブルーマウンテンならではの味わいを楽しみたいなら、「ブルーマウンテンNo.1」を購入

味の特徴


ブルーマウンテンの最大の特徴は“黄金のバランス”とも呼ばれる整った味わいです。香り高く、余韻が続くような独特の甘みがあります。苦味・酸味・コクのバランスに優れているため、クセがなく飲みやすいコーヒーです。

ブルーマウンテンならではの香りと甘みをしっかり引き出すために、焙煎はミディアムローストからハイロースト程度にしましょう。

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コーヒーとしての格付けは“中の上”


日本で最高級豆の一つに分類されているブルーマウンテン。価格も非常に高く、ブルーマウンテンNo.1になると、200gで4,000円前後 することもあります。

ブルーマウンテンブレンドでも、一般的なブレンドコーヒーよりも2~4倍ほどの値段が付けられている事が多いです。

ただし、あまり知られていませんがコーヒーの格付けとしては最高ランクではありません。コーヒーの格付けは国際コーヒー機関(ICO)によって4段階に定められていて、ブルーマウンテンは上から2番目に分類されています。簡単に言えば、中の上です。それぞれの分類は以下の通りです。

1.「コロンビアマイルド」…コロンビア、ケニア、タンザニアのアラビカ種
2.「アザーマイルド」…メキシコ、ペルー、エルサルバドル、ジャマイカのアラビカ種
3.「ブラジリアン・アンド・アザーアラビカ」…ブラジル、エチオピアのアラビカ種
4.「ロブスタ」…インド、インドネシア、ベトナム、タイ、マダガスカルなどのロブスタ種

ブルーマウンテンは「アザーマイルド」に分類されていて、国際的にはコロンビアやケニア、タンザニアより評価が低く、国際マーケットで販売しようとすると値段も安くなります。では、なぜブルーマウンテンは日本でこれほど高級豆として高額で販売されているのでしょうか?

生産量のほとんどは日本向け


まず、そもそもブルーマウンテンは国際的にはとてもマイナーなコーヒー豆です。生産されているブルーマウンテンの約90%は日本に輸出されるため、海外ではなかなか手に入りません。

そしてジャマイカのコーヒー生産量自体が少なく、2016年の統計で約6,000トンの世界第46位です。1位ブラジルの300万トンと比べると生産量の差が非常に大きいことがわかります。

大手のスターバックスやドトールなどでブルーマウンテンの取扱いがないのも、こうした生産量の少なさから安定供給ができないことが原因の一つになっています。

“英国王室御用達”は本当?


ブルーマウンテンが日本に流通するようになったのは1960年代からです。その際のキャッチコピーとして“英国王室御用達”のコーヒーとよく呼ばれました。ただし、これはもともとジャマイカが英国領だったことから付けられたキャッチコピーで、本当に英国王室の御用達だったかどうか確証はありません。

ただし、“ブランドに弱い”日本人の特徴をうまく利用し、ブルーマウンテンは高級コーヒーとして日本で不動の地位を確立します。ただし、最近ではサードウェーブコーヒーの広まりで本当においしいコーヒーが日本でも多く流通するようになりました。それに伴いコーヒー通の中では「ブルマンはおいしくない」といった声もよく聞かれます。

ブルーマウンテンが抱える問題


ブルーマウンテンに対する低評価には、いくつかの原因があります。

販売量>輸入量の問題


まず、ネームバリューがありすぎるため、本当のブルーマウンテンではないコーヒーまでがブルーマウンテンとして販売されている問題があります。ブルーマウンテンの日本での販売量は輸入量の約3倍 と言われています。

本来、標高800m~1500mのブルーマウンテンエリアで栽培されたものだけがブルーマウンテンと呼ばれ、それ以外の低い標高エリアのコーヒーはハイマウンテンやプライムウォッシュなどと呼ばれます。ところが、こうしたエリア外のコーヒーもブルーマウンテンとして販売されているケースが多いです。

そのため本当のブルーマウンテンを飲むのは難しく、飲んで「イマイチだな…」と思っていたブルーマウンテンが実は偽物ということも大いに考えられます。

ハリケーンによる壊滅的な被害


ブルーマウンテンの流通量が日本でも少なくなった時期がありました。原因は2012年にジャマイカを襲ったハリケーン「サンディ」 。多くのコーヒーノキが倒れ、ジャマイカのコーヒー農家は壊滅的な被害を負いました。

そしてその後コーヒーを枯らしてしまうさび病 も蔓延するなど、ジャマイカのコーヒー豆の生産量は例年と比べて80%ほど減少 しました。コーヒーノキが回復するまでに3~4年はかかると言われ、ここ数年でやっと流通量が回復してきたところです。

しかし、自然災害でコーヒー豆の品質も低下してしまったコーヒー農園も少なくなく、最近ブルーマウンテンを飲んだコーヒー通の方の中には「ブルマンはおいしくない…」と感じた方もいるかもしれません。

日本政府も資金面で協力し、高品質なブルーマウンテンの安定供給ができるように支援しています。

UCC上島珈琲はジャマイカのコーヒー農園を支援する。日本政府がジャマイカ政府に資金面で協力し、UCCが品質管理などを指導する。同国ではハリケーンや干ばつなどの影響で最高級コーヒー「ブルーマウンテンコーヒー」の生産量が減っており、農家への支援を通じて安定調達につなげる。

味わいは日本人好みで試してみる価値あり

本物のブルーマウンテンは、味わいのバランスに優れていて、香り高く独特の甘みが後を引く日本人好みの味わいです。おいしくなければ、どれほど良いキャッチコピーがあってもこれほど長い間不動の地位を保つことはできなかったでしょう。

コーヒー通として、飲んでおくべきコーヒーの一つと言えます。偽物や品質の低いブルーマウンテンも出回っているので、少し値段は張りますがシングルオリジンで生産者や生産地まではっきりしている高品質な豆を探すことをおすすめします。

 

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