ドリップコーヒーをいれる時に、新鮮な豆を使った時にだけ現れる『泡』。
実はおいしいコーヒーをいれるポイントがこの『泡』にあるんです。
そこで今回の記事では、
- 抽出の時の泡は何でできている?
- なぜ泡を落としてはいけないの?
- うまく抽出できると泡は何色?
といった疑問にお答えします。
抽出の時の泡は何でできている?
コーヒー好きの間でよく言われるのが、『新鮮な豆だと、コーヒーの粉がふわっと盛り上がって泡ができる』というもの。
逆に泡が全然出てこないと、『焙煎してから時間が経ってしまった豆だな…』とがっかりします。
では、そもそもこの泡とは何なんでしょうか?
答えは…焙煎の加熱によって生じた炭酸ガスなどの気体。
コーヒー豆は焙煎すると、化学変化で炭酸ガスをはじめとする、さまざまな成分の気体が発生します。焙煎後には豆から炭酸ガスの排出がはじまりますが、新鮮なコーヒー豆だと、こうした気体がまだ豆の中にたくさん含まれています。
コーヒーの粉は、顕微鏡で覗くとたくさんの穴がある多孔質と呼ばれる形状をしています。そのためお湯を注ぐと、中の炭酸ガスは水に押し出されて排出され、泡となって現れるのです。
なぜ泡を落としてはいけないの?
ハンドドリップについてよく言われるのが、『抽出する時に泡を落としきると雑味が混ざる』というもの。
しかし、そもそもドリッパーで盛り上がる泡の正体は炭酸ガスなので、泡自体に雑味があるわけではありません。
では、なぜ泡を落としてはいけないといわれるのでしょうか?
答えは…微粉。
ミルでコーヒー豆を挽く時には、必ず少なからず微粉が発生します。
微粉は粒子が小さく、すぐに雑味のもとであるエグみや渋みが抽出されます。そのためコーヒーにこだわる方や喫茶店では、微粉の発生が少ない電動コニカル式のミルを使用しています。
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抽出の時に発生する泡自体には、雑味のもとになる成分は含まれていませんが、泡が発生すると、軽い微粉も泡の上へと押し上げられます。この押し上げられた微粉を落とさないために、『泡を下まで落とさないように』と言われているのです。
そのため、コーヒーを抽出する時には、抽出が終わったら、ドリッパーにお湯が残っている状態で、すぐにサーバーから取り外すことが重要。泡の表面に浮いた微粉の雑味がコーヒーに混ざってしまうのを防げます。
うまく抽出できると泡は何色?
抽出が終わった後の泡の色に注目したことがありますか?
実は、コーヒーの抽出時間に応じて、表面にできる泡の色は変化するのです。
しっかりとコーヒーの粉全体を蒸らして、微粉を上へ押し上げながら注湯すると、泡と微粉が混ざり、泡はキレイな濃いキャラメル色になります。
しかし、炭酸ガスの放出は時間とともに減っていくため、抽出に時間がかかるほど、炭酸ガスは減り、微粉を押し上げる力が弱くなります。そうすると、抽出が終わった後のドリッパーの表面には白い泡が残ります。
これはいわゆる過抽出といわれるもので、コーヒーのおいしくない成分までしっかりとサーバーに落ちきっている状態です。
そのためよくハンドドリップでは、『抽出時間は3分以内に』と言われるのです。
タイマーなどを使って、注湯スピードで抽出時間をうまくコントロールできるようにしましょう。
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泡を見極めておいしくコーヒーをいれよう
ハンドドリップでコーヒーをいれる時にできる泡。
この泡の正体は、焙煎で発生する炭酸ガスでした。
おいしくコーヒーをいれるには…
- 泡を落とさないようにして、微粉の雑味を避ける
- 泡が白くなってしまう前に抽出を終える
という2つのポイントが重要になります。
次回コーヒーをいれる時には、泡の様子にも注目して、おいしいコーヒーをいれられるようになりましょう。