インドと言えば、コーヒーよりも紅茶が有名です。
しかし、インドは過去150年以上にわたり、世界有数のコーヒー豆の生産国としての顔も持っています。
特に、季節風を利用した「インドモンスーンコーヒー」は、インドならではの独特な香りと旨味が特徴。
今回は、「黄金コーヒー」と呼ばれるインドモンスーンコーヒーの魅力にせまってみましょう。
INDEX
インドのコーヒー豆の特徴
- インド全体のコーヒー年間生産量:326,982トン
- 世界シェア:約3%
- 生産国量ランキング:8位
※2018年度調査(FAO国連食糧農業機関による統計より)
統計は、インドモンスーンだけでなく、インド全体のコーヒー豆に関するデータです。
インドでは、アラビカ種だけでなくロブスタ種の栽培も盛んで、その生産割合はほぼ半々くらいです。
コーヒー豆産地としてのインド
コーヒー豆産地としてとても広大なインドは、あまり知られていませんがしっかりコーヒーベルトに位置しています。
インドモンスーンコーヒー等、アラビカ種の主な生産地域は、インド南部のカルナタカ州やチグマガルル、ケララなど西ガーツ山脈周辺。
標高1000m以上の高地が広がっています。
インドは、乾季雨季のある熱帯性気候です。
コーヒーを育てる山地は、朝夕の寒暖差だけでなく腐植質が豊富な土壌、そして十分な降雨量がコーヒー栽培に適しています。
また、雨季に内陸にかけてふくモンスーンが、コーヒー生産に重要な役割を担っています。
湿気たっぷりのモンスーンは、加工過程でコーヒー豆を黄金色に変え、独特な香りをもたらします。
モンスーンコーヒーが、「黄金コーヒー」と呼ばれる由来はここにあります。
インドのコーヒー豆の歴史
インドにおけるコーヒー豆の歴史は古く、1600年代と言われています。
アラビア僧侶の間で飲まれていたコーヒーは、イスラム聖職者によってインドに伝わりました。
インドのイスラム教聖者ババ・ブタンが、イエメン巡礼の後こっそり持ち帰ったと言われています。
時代は、大航海時代に入り、コーヒーがヨーロッパで流行すると、インドでは輸出用にコーヒー栽培が行われるようになります。
しかし、インドからアフリカの喜望峰を回ってヨーロッパへ向かう航路は、非常に遠く行程には約半年間もの時間がかかりました。
長い間、輸送船の倉庫で湿気を吸いながら保管されていたコーヒーの生豆は、熟成し黄色にかわっていきます。
インドコーヒーは、特有の風味と香りが受け入れられて広く愛飲されるようになりました。
これが、現在のモンスーンコーヒーの原点です。
1990年代、インドで経済の自由化が起こると、コーヒー産業は大きく発展します。
それまで海外向けコーヒーの30%を、国内販売に切り替え、誰でもコーヒーの生産から販売までできるようになりました。
インドのコーヒー豆栽培
インドのコーヒー豆栽培に関わる生産者は、約25万人。
その9割は小規模農家で、4Ha以下の農園です。
インドで栽培されるアラビカコーヒー豆は、ケントやカティモア、S795など。
改良されたコーヒー豆は、比較的病気に強い品種なのが特徴です。
18世紀から19世紀末にかけて長い間、インドを始めアジア圏のコーヒー農家を苦しめ続けてきたさび病に対策するために、インドでは品種改良が積極的に行われました。
日照量の高いインドでは、山の斜面にコーヒーノキを植えて、シェイドツリー(日陰栽培)による栽培を手作業で行っています。
コーヒーの精製方法は、大きく分けてナチュラル(乾燥式)とウォッシュト(水洗式)。
「モンスーンコーヒー」とは、コーヒーを湿気が多いモンスーン風にあてて加工したものをいいます。
現在のモンスーンコーヒーは、ヨーロッパのコーヒー愛好家の要望に応えて研究し、実現された銘柄だそうです。
かつて輸送中にできあがった黄金コーヒーは、モンスーンコ―ヒーとなって復活したわけです。
インドモンスーンのコーヒー豆の味の特徴
モンスーンコーヒーの特徴は、何よりも特有の香りと風味。
酸味は控えめで、苦味のパンチがきいています。
モカコーヒーとは真逆の味わいのため、好みに分かれる味でしょう。
インドモンスーンは、3~4か月に及ぶモンスーン加工によって豆が黄色になるだけでなく、独特な風味とコクを演出します。
モンスーン加工とは、乾燥されたコーヒー豆を雨風のあたらないコンクリート床に広げ、海からふきつける季節風にさらすというもの。
豆を頻繁に集めて広げるという作業を繰り返し、湿気をすった豆は、元のサイズに2倍になります。
強烈な存在感をもつインドモンスーンコーヒーは、ブレンドには深みを与え、エスプレッソ抽出では濃厚で豊富なクレマを作り出します。そのため、イタリアでは特に高い評価を得ているプレミアムコーヒーです。
おすすめの飲み方
インドモンスーンの味わいを楽しむおすすめの飲み方は、深煎りのエスプレッソです。
モンスーンコーヒーの魅力的な苦味は、シングルショットでも、お湯で薄めてアメリカーノでもとてもおいしいです。
自宅にモカポットやエスプレッソマシンがない場合は、ハンドドリップで淹れてみても十分楽しめます。
苦いコーヒーが不得意な人は、牛乳を入れて飲むことをおすすめします。
カフェオレやカフェラテにしても風味豊かな一杯が味わえるでしょう。
また、現地式の「インディアンコーヒー」もおすすめです。
インディアンコーヒーとは、少量のコーヒーに砂糖とミルクを入れて泡立てたコーヒーのこと。
カップを2つ用意して、互いに何度も注ぎ入れることを繰り返して泡立てるという、インド特有の方法で作られます。
インドのコーヒー豆の等級について
インドのコーヒー豆の等級は、精製方法、スクリーンサイズ、水分含有度(湿気)などさまざまな要素で細かく細分化されています。
複雑でわかりにくいのですが、簡単にまとめると以下のような等級分けになります。
【精製方法による等級分類】
- プランテーション:ウォッシュト(水分含有率10.5%)
- アラビカチェリー:ナチュラル(水分含有率11.5%)
さらに重さやサイズで分類し、PB(ピーベリー)、A、B、Cなどに分かれます。
プレミアムグレードは、AA、AB。
【モンスーン加工されたコーヒー】
- モンスーンマラバールAA(水分含有率13~14.5%)
- バサナリー(水分含有率13~14.5%)など
【他のスペシャリティコーヒー】
- マイソールナゲットEB:マイソール、クールグなどで栽培された「プランテーションA」の高級コーヒー
日本で出回っているインドコーヒーはほとんどがインドモンスーンマラバールAAになります。
インドモンスーンを試すのに間違いのない高品質な銘柄・等級です。
おすすめのインドモンスーンコーヒー
おすすめのインドモンスーンコーヒーを2つ紹介します。
インドモンスーン マラバールAA
苦味と香りの両方を楽しめるインドモンスーン。
中でもマラバールAAは、厳しい規格をパスしています。
黄金色の生豆を丁寧に焙煎したコーヒーは、独特の風味と旨味を醸し出します。
力強い風味とコクとほんのり甘いコーヒーです。
こちらでは、モンスーンコーヒーがお手頃価格でお求めになれます。4点購入すれば、送料200円でネコポスが使えます。
手ごろにインドモンスーンを試されたい方はぜひ。


インドモンスーン
酸味少なめですが、ピリッとしたスパイシー感が魅力でもあるインドモンスーン。
芳ばしい香りと共にまろやかなコクをお楽しみいただけます。
注文時に焙煎度を選択可能で、やきたてのモンスーンコ―ヒーをお届けします。
インドモンスーンらしさを味わうためにエスプレッソやカフェラテ用の豆を探している人にもおすすめです。


芳醇な香味を持つ逸品・インドモンスーンコーヒーを味わおう
日本では、あまり見かけないインドコーヒーですが、インドは注目のコーヒー生産国。
特にモンスーンコーヒーは、間違いなくインドを代表するコーヒーであり、他国では真似できない素晴らしい銘柄なのです。
経済発展が進む新興国インドでは、アラビカ種とロブスタ種の品種改良に積極的で、国内外に向けてコーヒーを送り続けています。
モンスーンコーヒーを通して、インドを体感してみてはいかがでしょうか?