サイフォンでいれたコーヒー

老舗のコーヒーショップでよく見かける“サイフォン式コーヒー”

年代によっては探偵ドラマのおなじみのシーンを思い起こす方も少なくないかもしれません。

サイフォン式は、コーヒー通の間でも人気が根強く、コーヒーの旨みをしっかり抽出する入れ方です。

今回の記事ではそんなサイフォン式の仕組みや味の特徴から選び方までわかりやすくご紹介します。

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サイフォン式コーヒーの仕組み

アルコールランプでサイフォンを加熱

サイフォン式は、19世紀初期にヨーロッパで開発された抽出方法ですが、正確な起源については諸説あります。

1841年にフランスのヴァシュー夫人が特許を取得したガラス風船型サイフォンは現在とほとんど変わらない形状でしたが、それ以前からヨーロッパではサイフォン式のコーヒー抽出が行われていたようです。

“サイフォンの原理”を使ったサイフォン式コーヒー

ロートから下りてくるコーヒー
“サイフォン”
とはギリシャ語で「チューブ、管」という意味。

“サイフォンの原理”と呼ばれる、隙間のない管を利用して、液体をA地点からB地点まで、途中で高い場所を通って導く、高低差のエネルギーの違いを利用したメカニズムを活用しているため、この抽出方法はサイフォン式と呼ばれるようになりました。

実際には、サイフォンの原理の他に、熱の力も加わっています。

サイフォン式コーヒーにも、(1)ガラス風船型、(2)ナピアー式、(3)天秤式の3種類がありますが、ここでは最もよく知られているガラス風船型についてご紹介します。

ガラス風船型のサイフォン式コーヒーの仕組み

サイフォンで作ったコーヒー

フラスコ部分に水、ロートにコーヒーの粉をセットします。フラスコ内の水をアルコールランプを使って加熱していくと、フラスコ内の気圧が高くなります。

気圧が十分に高まると、次第に気圧の低いロート側へとお湯が流れていきます。ロート内にはコーヒーの粉があるため、そこでコーヒーが抽出されます。

火を止めると、フラスコ内の気圧が下がり、ロート内でできたコーヒー液は再びフラスコへと下りてきます。コーヒーの粉は取り付けられたフィルターで集められるので、フラスコには抽出されたコーヒー液だけが下りて、コーヒーが完成する仕組みです。

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サイフォン式コーヒーの味の特徴

サイフォンからコーヒーを注ぐ

サイフォン式で淹れたコーヒーは、一般的なドリップコーヒーとどこが違うのでしょうか。

サイフォン式の場合、ロート内でコーヒーの粉がお湯にしっかりと浸かるため、ドリップコーヒーよりも味のしっかりとした濃いコーヒーが抽出されます。そして布製のフィルターを通ってフラスコに戻るため、ネルドリップのように、しっかりとコクは残しつつ、まろやかで柔らかい澄んだ味わいのコーヒーになる特徴があります。

 

豆の挽き具合や抽出時間、火力で抽出されるコーヒーの味を調節しますが、ドリップコーヒーと比べると比較的難易度が低く、毎回同じ品質のコーヒーを淹れやすいのもメリットの一つと言えます。

何よりも科学の実験のような独特の雰囲気や、お湯やコーヒー液が上へ下へと移動する視覚的効果が楽しめて、コーヒータイムをおしゃれな時間にしてくれます。

サイフォンのメリット

抽出されるサイフォンコーヒー

  • 演出効果の高さ
    サイフォンの大きな利点の一つが演出効果の高さです。
    アルコールランプやビームヒーターの灯りに照らされながら、ポコポコと音をたてて上下するコーヒー液。
    お湯が上がってコーヒーの粉と混ざることで広がるコーヒーの香りなど、五感でコーヒーの抽出を楽しめるのがサイフォンのメリットです。
  • 日本人好みの抽出
    サイフォンは布製のネルフィルターを使ってコーヒーを濾(こ)します。
    ネルフィルターを使うことでコーヒーの風味は日本人好みの角が取れたまろやかなコーヒーに仕上がります。
  • 高い抽出温度
    サイフォンの大きな利点の一つが抽出温度の高さです。
    一般的なペーパードリップだと、カップに注がれたコーヒーの温度は大体70℃~80℃くらいですが、サイフォンだと80℃後半くらいになります。
    この10℃前後の差は大きく、昔ながらの喫茶店のように、熱々のコーヒーをゆっくりと冷ましながら楽しむことができます。

サイフォンのデメリット

サイフォンは扱いがデリケート

  • 器具が高価
    まず多くの方がサイフォンを始めるのに二の足を踏む原因になるのが器具の値段です。
    一般的なサイフォン器具を購入しようとすると、大体値段は安くても6,000円以上します。
    ハンドドリップのドリッパーが1,000円前後で購入できることを考えると高いですね…。
    ただし、ハンドドリップにはないコーヒーの風味を引き出せるので、値段以上にコーヒーの世界を広げてくれるのは確かです。
  • 扱いがデリケート
    サイフォンはほとんどの部品がガラス製。
    そのため扱いには気を使います。コーヒーを注いだり、洗ったりする時にも割らないように注意が必要です。
    アルコールランプなどで火を使うので、小さい子供がいる場合などは特に取り扱いには気を使います。
  • 設置スペースが必要
    サイフォンは意外と高さがあり、保管するのにも場所を取ります。
    購入前にはどこに置くか考えてからにしましょう。
    ただし、「サイフォンを購入したい!」という方はかなりのコーヒー好きのはずなので、コーヒー好きのインテリアとして利用すれば問題ないでしょう。

サイフォンの選び方

サイフォンの選び方

サイフォンのメリット・デメリットを確認して、やっぱり「サイフォンが欲しい!」という方のために、サイフォンの失敗しない選び方をご紹介します。

1.サイズ・容量で選ぶ

サイフォンは容量で選ぶ

当たり前ですが、実際に抽出したい量のサイフォンを選びましょう。

一般的なサイズは3杯用です。

1杯用のコンパクトサイズもありますが、後から他の熱源を使用したいと思ったときにサイズが小さいため熱源とフラスコが干渉してしまうこともあり注意が必要です。
5杯用などサイズの大きなもありますが、お湯の上下移動に時間がかかり、サイフォンらしいコーヒーを抽出するにはコツが必要になります。

迷ったら、一般的な3杯用を購入することをおすすめします。

2.ブランドの特徴で選ぶ

ブランド毎にサイフォンの特徴や品揃えが異なるので、好みやニーズに合わせたブランドのサイフォンを見つけましょう。

主だったサイフォンのブランドの特徴をご紹介します。

HARIO


1921年に創業した日本老舗の耐熱ガラスメーカー
サイフォン以外にもドリッパーやサーバーなど、多くのコーヒー器具を取り扱っています。

ハリオの耐熱ガラスは品質が高く、日本だけでなく世界的にも高い評価を受けています。
ハリオのサイフォン「テクニカ」はワールドサイフォニストチャンピオンシップの公式器具にもなっています。

またハリオの抽出器具にはGOODDESIGN賞を受賞したモデルもあり、高いデザイン性も魅力の一つです。

KONO珈琲サイフォン株式会社


日本のサイフォンの先駆者とも言えるコーノ珈琲サイフォン株式会社。

「コーヒーの持ち味を素直に抽出する」という創業当時からのモットーを大切に、より良い抽出器具を目指して日々改良が重ねられています。
ハンドドリップの“名門フィルター”もコーヒー好きの間では有名ですね。

デザインはハリオが先進的なものが多いのに対して、コーノは古き良き雰囲気が漂うクラシカルなモデルが多いのが特徴です。

BONMAC


1964年創業のラッキーコーヒーマシンが立ち上げたブランドである“BONMAC”

製造はハリオが担当しているため、仕様はテクニカと同じです。ハリオのテクニカをゴールドカラーにしたのがBONMACなので、好みに合わせて選んで下さい。

その他のサイフォンブランド

サイフォンを探す時にはすでにご紹介したハリオ・コーノ珈琲サイフォン株式会社・BONMACが3大ブランドです。

他にも“TIAMO”や“Kitchen Aid”など、海外ブランドからも特徴的なサイフォンが販売されています。

ただし、次でもご紹介しますが、交換用パーツの品揃えという点では3大ブランドには劣るので注意が必要です。

3.交換用パーツの入手しやすさ


サイフォンは取り扱いがデリケートな抽出器具です。
気をつけて使用していても、誤ってガラス製のロートやフラスコを割ってしまうこともあります。

そのため購入する時には交換用のパーツがしっかり揃っているかどうかも確認しましょう。

先ほどご紹介した3大ブランドであれば、Amazonなどのショッピングサイトでも簡単に交換用パーツが手に入ります。

4.熱源を選ぶ

サイフォンで利用するアルコールランプ

サイフォン購入後に別途で他の熱源も購入できます。主に家庭用として利用されているのは以下の3つです。

アルコールランプ


サイフォンでもっともベーシックな熱源がアルコールランプです。
サイフォンを購入すると無料で付属していることも多いです。

ただし、着火するのにライターやマッチが必要、エアコンなどの風を受けると火力が安定しない、といったデメリットもあります。

ガストーチ


家庭用のカセットコンロのガスボンベを使って充填できるガストーチ
手軽に使えて、着火装置が付いているのでマッチやライターは必要なく、火力調節も可能です。

これからご紹介するビームヒーターと比べると安価なので、「アルコールから他の熱源に切り替えたい!」という方におすすめです。

ビームヒーター


ハロゲンヒーターとも呼ばれます。火力調節がダイヤルで簡単にでき利便性の高さは熱源の中ではダントツです。
そのためサイフォンを使うカフェのほとんどがビームヒーターを採用しています。ハロゲンの灯りによる演出効果の高さも魅力の一つです。

ただし、値段が高いのが欠点で、安いものでも30,000円前後します。ただし火を使わないという安心感もあるので、金銭的に余裕のある方は購入を考えてもいいかもしれません。

おすすめのサイフォン3選

きれいなサイフォン

実際に人気の高いサイフォンをご紹介します。

どれも交換用のパーツが簡単に見つけられて、プロの味わいが自宅でも再現できる高品質なサイフォンなので、選ぶのに参考にしてみて下さい。

1.ハリオ コーヒーサイフォン「テクニカ」TCA-3


価格の目安:5,000円前後

サイフォンの世界大会でも公式採用されているハリオのテクニカシリーズ。

アルコールランプ以外の熱源にも対応したスタンダードで、プロの味わいを自宅で楽しめます。
無駄のないシンプルなデザインでサイフォンの中では非常にリーズナブル、交換用パーツも揃っているので、どれにするか悩んだらテクニカシリーズを選ぶのが正解です

利用者の口コミ

サイフォンで淹れるコーヒーに興味がありましたが、敷居が高くこれまで縁がなかったのですが、案外安く手に入ることを知り、購入し使っていますが、同じものをプロの喫茶店でも使っているように、問題なく楽しんで使っています。挽きたての豆をサイフォンで淹れるコーヒーは、その準備から飲むまで全てがリラクゼーションを提供してくれます。

2.コーノ式コーヒーサイフォン SK-3A


価格の目安:13,000円前後

日本で初めてサイフォンを実用化したコーノ珈琲のサイフォン

創業以来、形状の改良を続けた日本を代表するコーヒー抽出器具です。
創業当時からのレトロな雰囲気を残したサイフォンで、じっくりコーヒーが抽出される様子を楽しむことができます。

利用者の口コミ

扱いやすく、コーヒーの香り、味ともに満足しています。

3.ハリオ モカ MCA-3


価格の目安:5,000円前後

丸みのあるデザインが特徴的なハリオのサイフォンモカ。

サイフォンはネルフィルターの管理が面倒でしたが、モカはペーパータイプのフィルターを使用するので、毎回のメンテナンスの手軽さが大きな魅力です。

利用者の口コミ

ロートの形状は洗い易く 香りの立ち方も良い。
フラスコは 注ぎ口のサイズが変更し大口径に 通常のやかんでも楽々注ぐことが可能です。
そして 今までのネルの代わりのペーパーフィルターは使いやすく しかも淹れる毎に新しいペーパーを使えるのは 最高です。
使い始めて3ヶ月弱なので 耐久性の星は3個になっています 念のため。

サイフォンのメリット・デメリットを理解して使いこなそう

今回の記事では、近年再注目されているサイフォンのメリット・デメリットについてご紹介しました。

メリットとデメリットをしっかり理解してから選ぶと、長く愛用できるサイフォンが見つけられるはずです。

抽出の過程までしっかり楽しむことができるのがサイフォンの特徴。

今回の記事を参考にしながら、コーヒーの世界を広げてくれるサイフォンを見つけて下さい。

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