現在日本では、コーヒーに関連した免許制度や資格というものはありません。そのため、「この資格をとったらプロ」というはっきりした基準はありません。
ただし、民間ではさまざまな難易度のコーヒーに関連した資格があり、趣味レベルのものから、日本全国にわずかしか合格者がいないような難易度の高い資格もあります。そこで、今回の記事では、コーヒーに関連したどんな資格があるのかご紹介します。
INDEX
コーヒーに関連した資格一覧
では、さっそくコーヒーに関連した資格について、試験内容や、受験にかかる費用など、詳しく見ていきましょう。
1.UCCドリップマスター
fa-check-square-o自宅で楽しみながらドリップコーヒーについて勉強できる
「コーヒーが好きだけど、まだまだ詳しくはわからない」という方にピッタリなのが「UCCコーヒーアカデミー」が監修している匠の珈琲講座。コーヒーの基本知識から本格的な抽出テクニックまで、通信講座でプロの講師陣の添削を受けながら学べます。
DVD付きなので、映像で確認しながらコーヒーを淹れられます。また教材と一緒にブラジル、コロンビア、マンダリン、モカ、タンザニア、ジャワロブスタの6種類の豆が送られてくるので、豆による味の違いを体感しながらコーヒーについての知識と技術を深めることができます。
受講生はUCCグループの通販サイトから優待価格で豆などを購入できる特典付き。特典は受講後もずっと続きます。
2.コーヒーマイスター
fa-check-square-oカフェや喫茶店で働くのに貴重な資格
コーヒーマイスターは、日本スペシャルティコーヒー協会(以下、SCAJ)が認定する資格です。
コーヒーに対するより深い知識と基本技術の習得をベースとして、お客様へ豊かなコーヒー生活が提案できるプロのコーヒーマン(サービスマン)のことで、わが国では初めての認定資格となります。
喫茶店やカフェでは、『コーヒーマイスター在籍』をセールスポイントにしているところも多く、これからコーヒーに関連した仕事に就きたいと思っている方なら取得しておいて損のない資格です。
コーヒーマイスターには、『コーヒーマイスター』と『アドバンスド・コーヒーマイスター』の2種類の資格があり、それぞれ試験内容が異なります。
受験資格:
・SCAJ会員の企業または店舗で働いている(アルバイトやパートも含む)
・SCAJ個人会員になる
・アドバンスド・コーヒーマイスターに関しては、コーヒーマイスター有資格者のみ
たとえアルバイトやパート勤務でも、SCAJ会員の店舗で働いていれば、受験資格を得ることができます。また、現在SCAJ会員の企業や店舗で働いていなくても、SCAJ個人会員制度があり、年間10,000円で入会することができます。
コーヒーマイスター
・テキストにてコーヒーマイスター養成講座受講
・実技講習会
・認定試験
アドバンスド・コーヒーマイスター
・3つのスクーリング講座すべてを受講/試験
・4つのスキルアップセミナーのいずれかを受講/試験
・コーヒーマイスター 39,000円
・アドバンスド・コーヒーマイスター 1講座・セミナーにつき16,000円~32,400円
3.JBA認定 バリスタライセンス
fa-check-square-o本格的なバリスタを目指すのにおすすめ
バリスタライセンスは、日本バリスタ協会(以下、JBA)が認定している資格です。
ーレベル1ー
・JBAバリスタとしての基本的な知識や技術を身に付け、JBAが定める一定基準のエスプレッソコーヒーを抽出できる者。ーレベル2ー
・JBAバリスタとして、エスプレッソコーヒーの抽出における高度な知識や技術を身に付け、コーヒーに関わる水や牛乳の基本的な知識や、グラインダー/エスプレッソマシンの仕組みやそれらの調整技術についても知識を持つ者。
・お客様に対して美味しいコーヒーの提供だけではなくその啓蒙ができる者。ーレベル3ー
・JBAバリスタとして求められる高度且つ広範囲な知識や技術を身に付けている者。
・JBAバリスタとして、エスプレッソコーヒーの抽出のみならず、テイスティングや接客サービスなど、バリスタとしての高い総合力を有する者。
・お客様に対して最高のエスプレッソコーヒーを抽出でき、その啓蒙ができる者。
レベル1~3までのバリスタライセンスがあり、バリスタを育成する専門学校でも教育課程に取り入れられている資格です。
受験資格:
・受講日時点でバリスタとして従事している(アルバイト可)
・コーヒー関連企業に勤務して、エスプレッソ抽出経験がある
・JBA認定校が開くカリキュラムの必要課程修了後1年未満の方
・レベル2、レベル3は段階的に受験でき、テストの一定成績、もしくは資格取得後1年間勤務が必要
全くバリスタとしての経験がない方がいきなり受験できる資格ではありませんが、受講日時点でバリスタとして勤務していればアルバイトでも構わないので、受験したい方は初心者歓迎のコーヒーショップでバリスタとして働くのが、受験資格のための一番の近道です。受験には2日間のスクーリングと試験日で合計3日間が必要になります。
レベル1
・JBA認定校でのスクール受講(2日間)
・JBAでのライセンス試験合格
・ライセンス発行
レベル2
・JBA認定校でのスクール受講(2日間)
・JBAでのライセンス試験合格
・ライセンス発行
レベル3
・JBA認定校でのスクール受講(2日間)
・JBAでのライセンス試験合格
・ライセンス発行
受験料:
・レベル1
スクール受講料 37,000円
試験料 15,000円
登録料 15,000円
計 67,000円
・レベル2
スクール受講料 50,000円
試験料 20,000円
登録料 15,000円
計 85,000円
・レベル3
スクール受講料 60,000円
試験料 25,000円
登録料 15,000円
計 100,000円
4.Qグレーダー
fa-check-square-oグローバルな豆評価のプロを目指すための資格
Qグレーダーも日本スペシャルティコーヒー協会(以下、SCAJ)が認定する資格です。今回紹介してる資格の中では唯一国際認定資格です。
正式には Licensed Q Grader といいます。SCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)が定めた基準・手順にのっとってコーヒーの評価ができるとCQI(場合によってはCQIとSCAAの両方)が認定した技能者のことです。
Qグレーダーは、コーヒーショップでバリスタとして働くというよりも、豆評価のプロを目指している人の資格になります。コーヒーを評価するプロフェッショナルとして、必要な味覚・嗅覚が求められます。資格保持者には米国スペシャリティコーヒー協会の評価方法に基づいて、カップ審査員として生豆サンプルの評価などが委嘱されます。
受験資格:
・コーヒー品質協会(CQI)に登録
特に特定期間の勤務経験が求められるわけではありませんが、受験にかかる費用や、受験の際の研修の高い専門性から、決してコーヒーの初心者がいきなり受けられる資格ではないことがわかります。受験には計6日間の研修・試験課程を連続で受ける必要があり、日本での試験場は神戸市にあるUCCコーヒーアカデミー SCA認定ラボのみです。
・センサリースキル
味覚に関する科目で、甘・塩・酸と3種類の味覚の鋭敏さを審査されます。
・オルファクトリー
嗅覚に関する科目で、コーヒーに含まれる主な36種類の香りを4つのグループに分けて審査されます。
・トライアンギュレーション
産地によって変わるフレーバー属性の違いを区別する能力が審査されます。
酸を添加したコーヒー液をカッピングして、風味を識別する能力が審査されます。
・ローストアイディー
SCAAの方式に基づいてコーヒーのサンプルを識別する能力が審査されます。
・グリーンレーディング
SCAが定めるコーヒーの等級の格付けを決定する能力が審査されます。
・カッピング
SCA方式でコーヒーの官能評価をする能力があるかどうか審査されます。
・SCAJ会員 300,000円
・SCAJ非会員 330,000円
5.コーヒーインストラクター
コーヒー全般の知識が求められる
コーヒーインストラクターは、全日本コーヒー商工組合連合会が認定している資格です。
ーコーヒーインストラクター3級ー
入門編的なコーヒーの知識と鑑定技術。コーヒーに興味がある方を対象にした資格で、入門編的なコーヒーの正しい知識を習得した方を認定いたします。ーコーヒーインストラクター2級ー
コーヒーを飲むだけでなく詳しく勉強したい方を対象にした資格で、コーヒーの対面販売に従事する方に求められる基礎的な知識・鑑定技術を習得した方を認定いたします。ーコーヒーインストラクター1級ー
コーヒー製造業者に求められる、プロとして必要な専門知識と鑑定技術を取得した方を認定いたします。
コーヒーに関する全般的な知識が求められる資格です。「コーヒーに興味がある」という初心者の方から、ショップで働いている方、コーヒーの製造業者まで、級数に応じて求められるレベルが大きく変わります。2級までは、基本的な知識を勉強して取り組めば、ほとんどの方が受かる試験なので、「コーヒーに関連した資格に興味がある」という方におすすめの資格です。
受験資格:
・コーヒーインストラクター1級の受験には、2級資格が必要になります。
コーヒーインストラクター3級
全日本コーヒー商工組合連合会に加盟する企業が開催する3級学科講習会を受講し修了する。
コーヒーインストラクター2級・1級
・学科/実技の講習会に参加
・学科/実技の検定試験に合格
・コーヒーインストラクター3級 1,500円
・コーヒーインストラクター2級 27,000円+登録料5,000円
・コーヒーインストラクター1級 47,000円+登録料5,000円
6.コーヒー鑑定士
日本全国に合格者わずか45名
コーヒー鑑定士は、コーヒーインストラクターと同じく全日本コーヒー商工組合連合会が認定する資格です。
コーヒーの原料調達・製造管理・品質管理等、極めて高度で専門的なコーヒーの知識と鑑定技術を取得した方を認定いたします。
現在までに日本全国で45名しかおらず、試験合格率は約3%と非常に難易度の高い資格になります。基本的にはすでにコーヒー関連の企業で働いていたり、自分のお店を持っている方が多く受験します。合格までに時間のかかる資格ですが、コーヒー関連の企業で働く上で、非常に大きなステータスとなる資格です。
受験資格:
コーヒーインストラクター1級所持者
商品設計 →商品設計マスターへ
生豆鑑定 →生豆鑑定マスターへ
品質管理 →品質管理マスターへ
・3教科のすべてでマスターを取得すると、『コーヒー鑑定士』に認定へ
・検定教本 4,000円
・講習会受講料 1教科 40,000円
・検定受検料 1教科 10,000円
・認定登録料(鑑定士) 5,000円
・認定登録料(マスター) 3,000円
難易度さまざまなコーヒーに関連した資格
現在、公的なコーヒーに関連した資格はありません。
ただし、民間では「コーヒーを飲むのが好きで、もっと詳しくなりたい」という初心者向けのものから、「コーヒーを通じてグローバルに仕事がしたい」という方向けの資格まで、さまざまなコーヒーに関連した資格があります。
コーヒー好きとして、話題にできるようなコーヒーに関連した資格を取得してみるのはいかがでしょうか?