世界中では、土地や気候に応じて食文化が異なります。同じようにコーヒーでも、それぞれの地域の風土や好みに合わせたアレンジメニューが存在します。ロシアは日本人にとってあまり馴染みのない国かもしれませんが、W杯で興味を持った方も少なくないと思います。
中でもコーヒーのアレンジメニューであるロシアンコーヒーは独特です。
作り方や味の特徴までわかりやすくご紹介します。家で試してみるのはいかがでしょうか。
ロシアンコーヒーとは
「ロシアンコーヒー」……。時々日本でも喫茶店などのメニューにあるのを見たことがあるでしょうか?
しかし、日本で知られているロシアンコーヒーは大抵日本風にアレンジされています。
本場のロシアンコーヒーのポイントとなるのは“ウォッカ”と“卵黄”です。
基本的には、ブラックコーヒーにウォッカと卵黄を入れて混ぜるだけです。
「え、コーヒーに卵!?」と思われる方もいるかもしれません。ロシアでは、身体を芯まで温める飲み物として愛されています。日本のたまご酒のようなイメージなのかもしれません。
卵黄が入ることで、カスタードクリームのようなまろやかな甘味があり、意外とハマるかもしれません。
ロシアならではの環境で生まれたアレンジコーヒー
ロシアンコーヒーは、ロシアの自然の厳しさが生んだとも言えるかもしれません。ロシアは典型的な大陸性気候で、夏は短く、厳しい寒さが続く冬が特徴です。夏冬の気温差は75℃ にもなり、冬の時期シベリアでは-20℃から-35℃、内陸部には-50℃以下 になるところもあります。
こうした厳しい寒さの中で、身体を芯から温めるために、アルコール度数の高いウォッカを飲む習慣があります。そして卵黄にも身体を温める効果があります。
寒い時期に身体を温めるものをまとめて混ぜて飲んでしまうために作られたのが、このロシアンコーヒーなのです。
ロシアでは、普通の喫茶店でも提供されていますし、冬場の寒い時期にバーニャと呼ばれるサウナに入りながら、ロシアンコーヒーや紅茶にジャムが入ったロシアンティーを飲むのが慣習になっています。
ロシアンコーヒーのレシピ
では、ロシアンコーヒーの作り方を見ていきましょう。日本の喫茶店などではロシアで飲まれているようなロシアンコーヒーはなかなか飲めません。
ただし、材料は日本でも簡単に手に入るので、自宅でなら作ることができます。
・牛乳 50cc
・卵黄 1個
・ウォッカ 20cc
・ホイップクリーム 適量
・カルダモン 少々
- 小さな鍋に卵黄、牛乳を入れてよくかき混ぜ、火にかけます。沸騰しないように温まったらマグカップに注ぎます。
- ホットコーヒー、ウォッカを注ぎよく混ぜます。甘いのが好きな場合、ここで砂糖やチョコレートシロップなどを入れるのもおすすめです。
- 上からホイップクリームを浮かべ、カルダモンをふりかけて完成。
ポイントは卵黄とウォッカを使用することなので、それ以外の部分は好みに合わせてアレンジしてみるのも楽しいです。
日本風のロシアンコーヒーもおすすめ
実は、ロシアンコーヒーは昔から知る人ぞ知るアレンジメニューなんです。コーヒー専門店の中にも取り扱っているところがあります。
ただし、中には本格的なロシアンコーヒーを提供しているところもありますが、日本で提供されているロシアンコーヒーのほとんどは、ウォッカ&卵黄の入っていない日本版ロシアンコーヒーです。 仕事の合間やお昼から飲んだりするには、ちょうどいいのかもしれません。
日本でのロシアンコーヒーは、ブラックコーヒーにミルクと砂糖を入れてカフェオレにしたものにホイップクリームとチョコレートシロップをかけたようなものが多いです。中に卵黄とウォッカは入っていないことがほとんどです。
卵黄とウォッカが入っていないのに、なぜロシアンコーヒーと呼ばれているのかは謎ですが、これはこれで寒い時期飲みたくなるアレンジメニューです。
寒い冬に、喫茶店でロシアンコーヒーを見かけたら、1度飲んでみてください。
まとめ
ロシアンコーヒーとは、寒いロシアの自然の中でロシアの人々が身体を温めるために生まれたアレンジメニューです。
ウォッカと卵黄を入れることで、カスタードクリームのようなまろやかな甘味のあるコーヒーになり、栄養価も高くウォッカのおかげで身体の芯から温まります。自宅でも揃う材料なので、ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。
冬の時期は、ロシアの生活の知恵で寒さを乗り切りましょう。